The War of the Worlds (Penguin Classics) の感想
参照データ
タイトル | The War of the Worlds (Penguin Classics) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | H.G. Wells |
販売元 | Penguin Classics |
JANコード | 9780141441030 |
カテゴリ | » 洋書 » By Publisher » Penguin Books |
購入者の感想
Penguin Classics; Reprint版 (2005/5/4)
ISBN-10: 0141441038 のレビュー。
2005年にペンギン・クラシックスはウェルズの主要作品を新しい版にしました。
Patrick Parrinder という研究者がテキストを校訂し、全冊に共通の短い伝記がついています。各作品に有名作家・研究家によるイントロ(作家論・作品論)。本作のイントロはブライアン・オールディス。
タイポも装丁もよく、解説が親切です。原文だけ読めればいいという方以外はこのペンギン版がおすすめ。
ただし!ひとつだけ文句。
物語に登場する地名を解説した付録がついているが、地図は縮尺も載ってないし鉄道路線もなし。地形まで載せてくれとは言わないが、もう少しちゃんとした地図が欲しかった。
さて内容ですが、ウェルズという作家、文章が難しいです。単語や表現が必要以上に難解です。
さらに本作は当時ありえない三脚の化け物や毒ガスや熱線を描いているのですが、その描写が実にわかりにくいのです。
この人の文章、ところどころ一種の悪文ではないか?と感じるんですが、どうでしょうか。第16章 The Exodus From London などごちゃごちゃして情景が浮かばないのですが。
とはいうものの、全体として短いし、挑戦する価値あり、
1.侵略SFのパターンをつくった原型であり。
2.当時の進化論や階級対立を論議した書であり、
3.ウェルズの自伝的な要素があり、
4.ブリティッシュ帝国最盛期(1897年)の不安を描いています。
わたし自身いちばんおもしろかったのは第2部第2章の火星人の解剖学的・生理学的描写。当時の医学や生物学って、そうとうめちゃくちゃだったんですね。ダーウィンの進化論もまったく理解されていなかったわけです。
ブライアン・オールディスの解説もたいへん参考になりました。
ISBN-10: 0141441038 のレビュー。
2005年にペンギン・クラシックスはウェルズの主要作品を新しい版にしました。
Patrick Parrinder という研究者がテキストを校訂し、全冊に共通の短い伝記がついています。各作品に有名作家・研究家によるイントロ(作家論・作品論)。本作のイントロはブライアン・オールディス。
タイポも装丁もよく、解説が親切です。原文だけ読めればいいという方以外はこのペンギン版がおすすめ。
ただし!ひとつだけ文句。
物語に登場する地名を解説した付録がついているが、地図は縮尺も載ってないし鉄道路線もなし。地形まで載せてくれとは言わないが、もう少しちゃんとした地図が欲しかった。
さて内容ですが、ウェルズという作家、文章が難しいです。単語や表現が必要以上に難解です。
さらに本作は当時ありえない三脚の化け物や毒ガスや熱線を描いているのですが、その描写が実にわかりにくいのです。
この人の文章、ところどころ一種の悪文ではないか?と感じるんですが、どうでしょうか。第16章 The Exodus From London などごちゃごちゃして情景が浮かばないのですが。
とはいうものの、全体として短いし、挑戦する価値あり、
1.侵略SFのパターンをつくった原型であり。
2.当時の進化論や階級対立を論議した書であり、
3.ウェルズの自伝的な要素があり、
4.ブリティッシュ帝国最盛期(1897年)の不安を描いています。
わたし自身いちばんおもしろかったのは第2部第2章の火星人の解剖学的・生理学的描写。当時の医学や生物学って、そうとうめちゃくちゃだったんですね。ダーウィンの進化論もまったく理解されていなかったわけです。
ブライアン・オールディスの解説もたいへん参考になりました。