ドレの神曲 の感想
参照データ
タイトル | ドレの神曲 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ダンテ |
販売元 | 宝島社 |
JANコード | 9784796675499 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » ギリシャ・ラテン文学 |
購入者の感想
1989年にJICC出版から出版されたものを持っているが、書店で思わず本書に出会ってあまりの値段に驚いて二冊目として購入した。なにしろ初版本は大きいし重いうえに絶版となって久しい。1996年に愛蔵版が発売されたものの装丁の豪華さゆえさらに重くなって、ちょっとやそっとでは持ち運べない。値段も高い。どちらにしても気軽にページをめくるというわけにはいかない本だった。
それが内容をそのままにしてこのコンパクトさでよみがえり、しかもちょっとした単行本の価格で発売された。これなら寝転んで読むこともできるし外に持ち歩くこともできる。この値段で売っていいのかというほど良本なので初めての神曲だったら絶対に本書をお勧めする。もし私がこの本に出会わずに、挿絵なしの全訳本を選んだとしたら、たぶん挫折していたと思う。
本書は抄訳でありながら、物語に入り込みやすい平易な文章で訳されており、集中力をそぎかねない脚注も控えめでわかりやすい。そしてなによりも注目に値するのはドレの挿絵。その豪華さに目がくらんでしまいそうだ。文章を読みつつ丹念にドレの挿絵を眺めるだけでダンテと一緒に地獄から天国への旅を味わうことができる。挿絵なしだったらどれだけ味気ないことだろう。
不思議なもので宗教や時代は全く違っているのだが、神曲を読むと源信の往生要集を思い出す。往生要集で展開される地獄から極楽への道と、神曲が重なって面白い。東西の地獄の違いを読み比べるのも一興かと思う。
それが内容をそのままにしてこのコンパクトさでよみがえり、しかもちょっとした単行本の価格で発売された。これなら寝転んで読むこともできるし外に持ち歩くこともできる。この値段で売っていいのかというほど良本なので初めての神曲だったら絶対に本書をお勧めする。もし私がこの本に出会わずに、挿絵なしの全訳本を選んだとしたら、たぶん挫折していたと思う。
本書は抄訳でありながら、物語に入り込みやすい平易な文章で訳されており、集中力をそぎかねない脚注も控えめでわかりやすい。そしてなによりも注目に値するのはドレの挿絵。その豪華さに目がくらんでしまいそうだ。文章を読みつつ丹念にドレの挿絵を眺めるだけでダンテと一緒に地獄から天国への旅を味わうことができる。挿絵なしだったらどれだけ味気ないことだろう。
不思議なもので宗教や時代は全く違っているのだが、神曲を読むと源信の往生要集を思い出す。往生要集で展開される地獄から極楽への道と、神曲が重なって面白い。東西の地獄の違いを読み比べるのも一興かと思う。