終点のあの子 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル終点のあの子 (文春文庫)
発売日2012-04-10
製作者柚木 麻子
販売元文藝春秋
JANコード9784167832018
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » や・ら・わ行の著者

購入者の感想

吉本ばななの『TUGUMI』や、山田詠美の『放課後の音符』などの一時期のジュブナイルに必ずいた、個性的かつ魅力的な「あの子」。「あの子」はとても素敵なのに何故か周りと距離を置いて、「あたし」だけを特別扱いしてくれる…。そんな甘い、紋切り型の友情小説かと思いきや、いい意味で裏切ってくれる。青春小説のアンチテーゼ的な作品。

表紙が綺麗なのと題名に惹かれて手に取った。
なのに、心がひりひりするような、
振り返るには勇気が要るあの頃を思い起こさせる、
なかなか「痛い」お話ばかり。

女子校が舞台だと、このような心理や人間関係が展開するのだろうか。
確かにこういうことはありがちだと思える部分が、(思い当たる節が)
随分強調・歪曲化されているような。(それでこそ作品化か)

抵抗を感じつつも、分かる分かると思える部分も。
思春期特有の自意識過剰な、繊細で大胆で思い込みが強くて傷つき易い、
個性的なようで実は根っこの部分で似ている、
ああ、あの頃、あの時代にはこんな思いもあったと比較し、
あれやこれやといつの間にか思い起こしながら読んでいた。

爽やかというわけではないが、読後感は妙に明るく、こざっぱりした感じ。
何だろう、この感覚は。
共に乗れなかったはずの電車に乗り、景色を眺めているような、
やっと到達したような錯覚に陥る感覚は。
これが青春を振り返った一瞬なのだろうか?

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