Elliptic Curves: Number Theory and Cryptography, Second Edition (Discrete Mathematics and Its Applications) の感想

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楕円曲線論の教科書として買いました。とても読みやすいです。

第１版も手元にあり(先生が持っている)、「この本の中身を閲覧する」で軽く見てみたところ
ほとんど変わっていないようだし、新品で当時９千円程度と第１版の中古と大差なかったので
第２版のほうを購入しました。

本書はelliptic curve(楕円曲線)のchapterと、cryptography(暗号)のchapterに分かれていて、
冒頭で楕円曲線を勉強したい人はchapter○、暗号を勉強したい人はchapter○を見てください
と書かれていて、chapter名もわかりやすく分類されています。

英文は特に難しい言い回しもなく、肝心の数式や解法、証明などでも省略しすぎて
どういうことかわからない、なんてことも今のところありません。(chapter2までですが)
本の中でのバランス(導入、具体例、命題、定理)もちょうどいいと思います。
新概念の導入時は特に詳しく書いてあってわかりやすいです。

基本的に整数論なのでややこしい方程式も出てきません。

楕円曲線を書くときはグラフィックソフト(mathematica)や計算ソフト(PARI/GP)を使ってるので
手計算も最初(chapter1)以降はたぶんあんまりしないと思います。

そもそもこの本は専門的的知識をあまり前提としておらず、
楕円曲線論に付随して群論や幾何学論の初等的な知識はある程度必要ですが、
まあそれは知識がなかったとしても調べれば理解できる程度ですし、
初心者でもわかりやすく読める良本だと思います。

私は今大学院でこの本を読んでいますが、学部の４年生で読んでるところも
あるんじゃないでしょうかね。

内容とは関係ないですが、やはり日本の製本の丁寧さと違って乱丁が若干あったので
星４つとします。

全国の整数論、特に楕円曲線論を勉強している皆さんにお勧めです。
楕円曲線の教科書としてはこれが一番だと思います。