精霊の王 の感想

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参照データ

タイトル精霊の王
発売日販売日未定
製作者中沢 新一
販売元講談社
JANコード9784062118507
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

◆縄文時代の精霊

 武蔵野の古い神社の境内から、しばしば縄文時代の遺跡が発掘された。石棒、石皿、丸石などが生活の道具とともに発見されていた。神社本殿の脇の摂社、小祠などに石棒や石皿がご神体として祀られていた。シャグジ、シャクジンなどと呼ばれていた。

 柳田国男の調べによると、その神が日本列島の全域から見いだされた。この神は国家が形成される以前の、神道以前の神の姿である。古層の神というより「精霊」である。

◆空(くう)より来たりし力

 我々の世界=現実の世界は、仏教で言う「空(くう)」に根拠を持っている。空は潜在空間とも言える。「空」は彼方にあるのではなく、いたるところに偏在している。むしろ現実世界はその「空」に包み込まれているとも言える。

◆宗教に閉じ込められた神

 この世で活動している「力」のすべては、「空=潜在空間」から出現する。力はいずれ元の生まれた場所に戻っていく。
 ところが国家の出現によって、その「力」を社会の中に取り入れてしまうトリック(=宗教)を作り出した。カミは社会に持ち込まれ、名付けられて(=人格神となる)、神社の中に納められてしまった。
 本来のカミ=シャグジは忘れられ、小さな祠にそっと眠っている。

◆シャグジは芸能の守護神となっていた

 しかし、芸能(猿楽、能、蹴鞠など)や技術など職人(園芸、古式捕鯨など)の世界ではシャグジは宿神(シュクジン)と呼ばれ、守護神となっていた。
 宿神が住まう不思議な空間の成り立ちそのものを、芸能のかたちに洗練してみせる。列島の中を移動しながら伝えていったのである。

◆シャグジをさがそう

 シャグジはシクジ、シュクジノ、宿神、粛司ノ神、祝神、姉后神、敷神、守宮神などとも呼ばれている。
 シャクジは天照大神などの神々の父母とも言うべき根源の神である。道端の祠を調べてみよう。

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