Miles in the Sky (Reis) の感想
参照データ
タイトル | Miles in the Sky (Reis) |
発売日 | 2008-02-01 |
アーティスト | Miles Davis |
販売元 | Sbme Special Mkts. |
JANコード | 0886972387826 |
カテゴリ | ミュージック » ジャンル別 » ジャズ・フュージョン » ビバップ |
購入者の感想
Miles Davisが1968年にリリースしたアルバム。オリジナルアルバムでエレクトリック・ピアノとエレクトリック・ギターを初めて使用した重要な作品です。レビュー内容が他の方と被ってしまいますが作品中秀逸なのはオープニングを飾る楽曲『Stuff』でフェンダー・ローズを奏でるHerbie Hancock、エレクトリック・ベースを奏でるRon Carter、二曲目『Paraphernalia』でエレクトリック・ギターを奏でるGeorge Bensonだと思います。そして今回Mobile Fidelity Sound Lab社のSACD盤を購入しましたが音質が抜群に良いと思います。空気感違いますね。それからリリース当初こそ評価は低かったものの何故この様な重要作がつい最近までSACD化されなかったのか不思議でしょうがないです。(2017年12月1日発売:MFSL社『Miles In The Sky』)
マイルスが電化されて(なんだか鉄道みたいだね)最初のオリジナル盤。もっとも、4曲中、M1のStuffでピアノとベースが、M2のParaphernaliaでエレキギター(ジョージベンソン)が加わっただけで、M3、M4はネフェルティティでソーサラーな世界。ショーター作のM2も以外に普通で、それまでの黄金のクィンテットとそう変わるところはない。(これらはかなりかっこいいことはかっこいいのだが)聴きものはやはりStuffである。とにかく、ロンカーターなんかは(まだ閉じていないけど)一生を通じてこういったモータウン系エレキベースを弾いたのはこの時期だけではないか。後を継ぐデイヴホランドが電化するまでに約1年かかっていたことを考えると、少し堅いものの、ずいぶん「らしく」やっている。ハービーのエレピも初めち?なのにサスティンを活かしまくった粘っこいフレーズになっており、直前まで全く弾かせてもらえなかったアコピとは全然違ったアプローチだ。世間一般ではこの二人が電化についていけなくてマイルスが辞めさせた、という説が強いが、そんなことはないと思う。少なくとも次作のチック/ホランドの音のが古めかしく聞こえるのはワタクシだけでしょうか。その証拠に、ジャックジョンソンやオンザコーナーのようなエレキ乗り乗りの作品ではチックでなくハービーを呼びもどしているではないか。むしろ問題は別の所にあったのではないか?ハービー/ロンのエレクトリックはまさにブラックコンテポラリー寄りで、このままいったらルードナルドソン化してしまう懸念があった。電化=モロソウルジャズという図式をマイル??は望んでいなかったのだろう。それくらいStuffはソウルジャズの試作品としてちゃんとしているのである。その意味ではチック/ホランドの白人コンビでソウルジャズをやってみましたの次作Mademoiselle Mabry と比べてみるといい。後者はソウルとしては無惨な出来だが、以降マイルスが強めていく演出された違和感・意外性の点でパワーアップしているのがわかるだろう。このアルバムではそんな風に、エレキもあるし、ソウルもあるし、ジャズもこのままではじり貧だし、といったマイルスの迷いが如実に感じられる一品だ
エレクトリックサウンドに本格的にマイルスが取り組んだ野心作。パラフェルナリアでは、初めてギターを取り入れ(しかもジョージ・ベンソン!)、ロック色に染まり始めたマイルスが聴けます。発表当時、評論家の評価は低かったが、評論家が、常に前進し続けたマイルスに追いつけなかったというのが真相ではないだろうか。マイルスの進歩する姿を辿りたいなら、買うべきでしょう。今聴くと、抵抗感無く気持ちよく聴く事ができます。ロックファンにもお薦めかも。