サバイバル宗教論 (文春新書) の感想

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参照データ

タイトルサバイバル宗教論 (文春新書)
発売日販売日未定
製作者佐藤 優
販売元文藝春秋
JANコード9784166609550
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門

購入者の感想

キリスト教の佐藤を臨済宗が迎えて実施した講演の本である。仏教僧が佐藤を呼ぶという事態がまず興味深く感じた。

僕は日頃 仏教僧と話す機会は無い。知り合いも居ない。会うのは葬式の際だけである。
従い、彼らが何を考えているのか分からないし、分かろうと考えたことも無かった。
もっと言うなら「お寺の経営だけで大変だろうな」という程度の認識であった。

佐藤は仏教の日本における強みを「葬式」に見出している。「人間の死」を日本においては
仏教がほぼ独占しているという状況に仏教の強みがある。

考えてみると、例えば海外渡航の際にも宗教を聞かれることがあり、僕も仏教と答えてきた。
なんで仏教なのかを突き詰めないながらも、そう答えてしまうことは仏教が僕の中に与件として
刷り込まれているからであろう。そんな刷り込みの結果として葬式もやはり仏教ということ
になっているとしたら確かに強いとしか言いようが無い。

ではそんな宗教の効用とは何なのか。それが佐藤の主題である。

佐藤としては、社会を強化する中間団体としての宗教の可能性 をここでは
主張していると読んだ。国家を強化するのではなく、あくまで「社会を強化する」
という趣旨であり、むしろ国家から個人を守ることが宗教の役割の一つだと
判断しているということだろう。それはかつて国策捜査で佐藤がかんじた国家という
ものへの大きな警戒もあるだろうし、若しくは第二次世界大戦で日本を滅亡させかけた
当時の国家という歴史も背景にあると思われる。

熱心な仏教徒ではない僕としては佐藤の主張が正しいかどうか分からない。但し、
創価学会等の例を横目で見ていると、宗教は家族、国家、職場といういくつかの
組織とはまた別の組織を作っている点は想像がつく。それが社会強化に繋がるかどうか
は、正にこれから見ていかなくてはならない課題なのかもしれない。0

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