ブラジル 跳躍の軌跡 (岩波新書) の感想

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タイトルブラジル 跳躍の軌跡 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者堀坂 浩太郎
販売元岩波書店
JANコード9784004313809
カテゴリビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 各国経済事情 » その他の国々

購入者の感想

五輪、W杯の開催が相次ぐブラジル。資源インフレで資本が入り込み、通貨価値など見かけの経済指数が膨張しただけのように見られる。しかし、ブラジル政府は80年台の民政移管以降、国営企業を民間に移すなど、民の力を取り入れた改革を続けてきた。幸か不幸か軍政からの転換で、80年代以降、実質白紙から政治経済の制度再設計が可能だったブラジルは、情報公開やPFIを含めた民営化、電子投票など、今なお日本で導入の是非が議論されているような最新の統治システムを取り入れてきた。ルーラ、カルドーゾという、国民の高い支持を受けた指導者が長期政権を担ったことも、制度改革を後押しした。

また、有り余る広大な土地を生かし、世界でも珍しい「マルチカルチュア経済」を志向してきた。通常、一つの国で主力となる農鉱産物は1,2品だが、ブラジルはコーヒー、砂糖が産出量世界1位、大豆、牛肉が同2位、コーン、鶏肉が3位。鉄鉱石やボーキサイトも世界3位。モノカルチュア経済では、一次産品の場合、不作や需要低下で国際市場の取引価格の乱高下に振り回される。だが、主力商品がいくつもあれば、コーヒーがダメなら牛の放牧地に、というようにマルチならではの転用も可能だ。ただ、セラード、アマゾン開発による環境悪化が懸念されている。

淡々とした記述で、世界要覧を読んでいるような感じもする。しかし、第二次大戦後のブラジル政治経済の歩み、90年代以降の制度改革がよく理解できる本だ。現代ブラジルの概況を知る一冊目として薦められる。

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