不撓不屈〈上〉 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 不撓不屈〈上〉 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 高杉 良 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101303222 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 |
購入者の感想
会計人の端くれとして、主人公飯塚毅氏に対し、頭が下がるばかりである。
裁判での証人として「一円の取り過ぎた税金もなからしめ、一円の取り足らずもなからしめよ」を基本方針としているというところがある。実際は、グレーな部分は、否認されるのが嫌だから、過剰に対応してしまう。とても、主人公のようには出来ない。
そうした会計上の話ではない生き方においても、「自利利他」(社会のために精進努力の生活に徹することが、自利すなわち本当の喜びであり幸福なのだ)という生き方はとても出来ない。
物語の中心にある「飯塚事件」と言うものを、今まで全く知らなかった。確かに、子供の頃なので仕方が無いかも知れないが、でも、会計に身をおくものとしては恥ずかしい限りだった。この先輩の努力があってこそ、今の法に基づいた租税主義があることを考えると頭が下がるばかりである。
この小説は、文庫本にするにあたって、大幅に加筆されたと言うことであるが、幼少の時代、裁判、TKCと大きく三つの部分からなる飯塚毅の一生であるが、ドイツからはるばるやってきたハインツ・ゼビガー氏の弔辞がすべてを言い尽くしているだろう。
見事な一生と言うほかは無い。
裁判での証人として「一円の取り過ぎた税金もなからしめ、一円の取り足らずもなからしめよ」を基本方針としているというところがある。実際は、グレーな部分は、否認されるのが嫌だから、過剰に対応してしまう。とても、主人公のようには出来ない。
そうした会計上の話ではない生き方においても、「自利利他」(社会のために精進努力の生活に徹することが、自利すなわち本当の喜びであり幸福なのだ)という生き方はとても出来ない。
物語の中心にある「飯塚事件」と言うものを、今まで全く知らなかった。確かに、子供の頃なので仕方が無いかも知れないが、でも、会計に身をおくものとしては恥ずかしい限りだった。この先輩の努力があってこそ、今の法に基づいた租税主義があることを考えると頭が下がるばかりである。
この小説は、文庫本にするにあたって、大幅に加筆されたと言うことであるが、幼少の時代、裁判、TKCと大きく三つの部分からなる飯塚毅の一生であるが、ドイツからはるばるやってきたハインツ・ゼビガー氏の弔辞がすべてを言い尽くしているだろう。
見事な一生と言うほかは無い。