居住福祉 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル居住福祉 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者早川 和男
販売元岩波書店
JANコード9784004305279
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

阪神淡路大震災時の住居や、老人ホームなどの例を引きながら「住まいあっての暮らしと人生」と住居の大切さを訴える本。
住居を提供する側(私は賃貸住宅の家主である)の人間としては、語られることに「いちいちもっとも」とうなづきながらも、「じゃぁどないせいっちゅうねん!」と叫びたくなることもある。
しかし著者のいう「弱者対策」政策の矛盾は全くそのとおりと思う。
曰く、
「第一は心身機能や社会的ハンディキャップのある人びとの居住地を特化させ、新しい差別を作る」
「第二の問題は、一般の住居水準を劣悪なままにしておいて、老人ホームその他の福祉施設の質的水準の大幅な向上は望みがたいことである」

私はこの第一の観点から高専賃が嫌いだ。しかし、そのある意味うさんくさい高専賃がきちんきちんと部屋を埋めてゆくのも事実で、その後ろにある「第二の問題」――著者の表現によると「ホームの方がいま住んでいる家よりまし、という貧しい住宅事情の人たちがたくさんいる」に思い至らなかったことを恥じる。

著者の「住宅改善チーム構想」に、「住居の改善を推進するには多くの職種の協力が必要、として、いくつかの職種が上がっている。
「ホームヘルパー」「保健婦」「開業医」「理学療法士・作業療法士」「ケースワーカー」「看護婦・訪問看護婦」「民生委員」「大工・職人・工務店・建築家」「介護用品・福祉機器メーカー」「不動産仲介業者」
1997年の本なのであがっていないが、いまではここに当然「ケアマネージャー」も入るであろう。

自分の商売として残念なのは「家主・管理会社」が入っていないことだ。ぜひここはこの横の連携にいれてもらいたい。
だってわれわれ家主はいい住居を提供することが商売なのだし、われわれにとって、よい住居・コミュニティがあることは大きな価値なのだ。
われわれ家主が一番恐れるのは、物件内での事故であり、なんとかしてそれを防止したいと思っている。
だから事故の可能性の高そうな人は入居を断ったり、引っ越しを勧めたりするのだが、本当は家主だって機嫌良く住んでいてほしいのだ。

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