温泉失格 ~『旅行読売』元編集長が明かす 源泉かけ流しとこの国の温泉文化の真偽~ (徳間ポケット) の感想

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参照データ

タイトル温泉失格 ~『旅行読売』元編集長が明かす 源泉かけ流しとこの国の温泉文化の真偽~ (徳間ポケット)
発売日販売日未定
製作者飯塚 玲児
販売元徳間書店
JANコード9784198635558
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

初めに断っておきますが、僕は「掛け流しでなければ温泉とは言えない」という考えです。本書を読んだところで「特徴や効能が消え失せ水道水の何倍もの塩素消毒がされた循環湯なら、水道水のほうがマシ」という自分の考えが変わることはありません。しかし、そんな自分でも本書はためになるし、読んで良かったと評価しています。
さて、この類いの本や意見はたいていが、「掛け流しでも汚いところは汚い。適切に管理された循環湯のほうが清潔なのだ。」といった感じで完結しているものばかりです。温泉に清潔さだけを求めるなら、水道水でいいのでは?各温泉に一つ一つ独自の効能や個性があり、それに癒されたり楽しんだりするのが温泉なのに、その視点が抜けているのです。
その点、本書は筆者が温泉のことをよく理解している人なので、加水や加温で温泉は魅力が下がることや、塩素投入で温泉が大きく変質することもちゃんとわきまえています。その上で意見を述べているのでたとえ同意はできなくても耳を傾ける価値が十分にあります。
本書の魅力は、アンケート結果や法制度などの客観的事実と、筆者以外の温泉専門家達の主観的意見が両方ともふんだんに書かれており、自分の論旨にそぐわない意見でも公平に載せている点です。客観的なデータは現状を知るのに役立つし、温泉のエキスパート達の主観的な意見は興味深い。
これらを一通り読めば、片寄った意見ばかりの類書に比べればかなり正確に温泉を取り巻く現状を知り、温泉について自分の意見を持つことが可能でしょう。自分は温泉のデータを正直に開示し、個性を楽しむ湯巡りを提案する別府の斉藤氏の考えに一番共感します。けれど、温泉法改正の必要性など筆者と同意見の部分も多くありました。
温泉のスペシャリスト達の色々な考えを知る場として、便利で貴重な一冊です。

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徳間書店から発売された飯塚 玲児の温泉失格 ~『旅行読売』元編集長が明かす 源泉かけ流しとこの国の温泉文化の真偽~ (徳間ポケット)(JAN:9784198635558)の感想と評価
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