國破れてマッカーサー (中公文庫) の感想
参照データ
タイトル | 國破れてマッカーサー (中公文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 西 鋭夫 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784122045569 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
戦後70年の現在、安保法制で日本国中が意見が二分されて紛糾しました。
この本を読むと、その原因が70年前のGHQによる占領政策が現在の日本に
いまだに影響を色濃く残しているからと理解できます。
しかもその資料は全てが機密指定を解除されたアメリカの公文書を引用して
あるので迫力があります。
日本全国の学生諸君に是非読んでいただきたい書です。
この本を読むと、その原因が70年前のGHQによる占領政策が現在の日本に
いまだに影響を色濃く残しているからと理解できます。
しかもその資料は全てが機密指定を解除されたアメリカの公文書を引用して
あるので迫力があります。
日本全国の学生諸君に是非読んでいただきたい書です。
著者の西氏とはほぼ同じ世代である。
小学校に入学したとき(1949年:昭和24年)、占領下にあった。マッカーサーは偉い人であり、給食用「脱脂粉乳」のお礼の作文を書いた記憶がある。当時、GHQによる日本の“弱体化”、“民主化”が一巡して、前年の12月には、東京裁判の結果、いわゆるA級戦犯が巣鴨で絞首刑に処せられた。今にして思うと占領の潮目が明らかに変わった時期であった。その年(1949年)に共産中国が成立し、翌年には朝鮮戦争が始まった。マッカーサーの解任は1951年である。このあたりのことはよく覚えている。
本書はフーバー研究所の機密文書「トレイナー文書」を研究して1982年に米国で出版した「unconditional surrender」(本書の訳本は1983年に『マッカーサーの犯罪』として出版された)をもとに全面的に書き改めたものである。ハードカバー本は1998年に出版されている。マッカーサーは占領直後、絶対者として日本の“弱体化”と“民主化”に成功した。この成果が「マッカーサー憲法」(特にその第9条)と米国製「教育基本法」である。
戦後65年を迎えても「マッカーサーの呪縛」は解けない。本書(ハードカバー本)が出版されてから12年たつが、現在の政治状況はむしろ退化しており、日本という国家の基盤が揺らいでいることを感じる。
「戦争の記憶」のある人が減少していくなか、「占領期の記憶」をもつのも我々が最後の世代であることを痛感させられた。
小学校に入学したとき(1949年:昭和24年)、占領下にあった。マッカーサーは偉い人であり、給食用「脱脂粉乳」のお礼の作文を書いた記憶がある。当時、GHQによる日本の“弱体化”、“民主化”が一巡して、前年の12月には、東京裁判の結果、いわゆるA級戦犯が巣鴨で絞首刑に処せられた。今にして思うと占領の潮目が明らかに変わった時期であった。その年(1949年)に共産中国が成立し、翌年には朝鮮戦争が始まった。マッカーサーの解任は1951年である。このあたりのことはよく覚えている。
本書はフーバー研究所の機密文書「トレイナー文書」を研究して1982年に米国で出版した「unconditional surrender」(本書の訳本は1983年に『マッカーサーの犯罪』として出版された)をもとに全面的に書き改めたものである。ハードカバー本は1998年に出版されている。マッカーサーは占領直後、絶対者として日本の“弱体化”と“民主化”に成功した。この成果が「マッカーサー憲法」(特にその第9条)と米国製「教育基本法」である。
戦後65年を迎えても「マッカーサーの呪縛」は解けない。本書(ハードカバー本)が出版されてから12年たつが、現在の政治状況はむしろ退化しており、日本という国家の基盤が揺らいでいることを感じる。
「戦争の記憶」のある人が減少していくなか、「占領期の記憶」をもつのも我々が最後の世代であることを痛感させられた。