Liquid Modernity の感想

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参照データ

タイトルLiquid Modernity
発売日販売日未定
製作者Zygmunt Bauman
販売元Polity
JANコード9780745624105
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Wiley

購入者の感想

現代社会を問うバウマンの著作。
本書のタイトルにもなっている「リキッド・モダニティ(流動的近代)」こそ
が現代社会を読み解く鍵になっていると彼は指摘する。注意が必要なのは、近
代以降の連続性を示すために、ポストモダニティとしてではなくモダニティと
して「リキッド・モダニティ」を唱えているところである。

近代化以降現代までを、前期近代と後期近代とにわけるとするならば、バウマン
は前者を固定的近代、後者を流動的近代と呼んでいる。その違いが本書では5つ
の概念(解放、個人、時間/空間、仕事、共同体)との関わりで述べられている。
この発想が一貫しているので、読んでいても主張が明確に読み取れたように思う。

近代は、個人化の歴史でもある。世襲的身分などの帰属的地位が優勢な前近代、
階級的類型が優勢であった固定的近代、続いたのは人々をくくる類型が溶解し、
(形式的には)個人のみとなった流動的近代。この個人化が人びとの絆までも
失わせ、様々な憂慮すべき事態が生まれた。これは、絆を失った人々が、不確
実性、不安定性、安全性の欠如(バウマンは「穢れた三位一体」と呼ぶ)から
逃れようと行なう「悪霊払い」である。「悪霊払い」は、自己目的化した消費、
連帯や協力ではなく消費と化した仕事、排除による「自然な共同体」の創出と
演出などがあげられている。

文章も覚悟していたよりも非常に平易で読みやすかった。お薦め。

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