智恵子抄 (角川文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル智恵子抄 (角川文庫)
発売日販売日未定
製作者高村 光太郎
販売元角川書店
JANコード9784041164044
カテゴリ文学・評論 » 詩歌 » 詩集 » 近代詩

購入者の感想

そこまで深く 生涯をかけて
人を愛することができるのだろうか
恋愛時代、結婚生活、智恵子は光太郎の
創作の泉であった。
智恵子は光太郎の作り出す
とわに美しきものを「美しい」という
光太郎にとっての裁判官でもあったはずだ。
その支えは絶大なものだったことが、詩からはもちろん
後書きのほうにも書かれている。
その一番身近で大切な女性が
崩れてゆく姿を
自らが壊れゆくと知っておののく姿を
直視できるものだろうか。
できるものならその現実をすべてなげうって忘却の
かなたへ捨ててしまいたいと思うほど
一切合財を投げ出して逃げ出したいと思うほど
唯一の源泉、唯一の支えであった女性
智恵子を愛しているからこそ
智恵子が変わりゆくのを見るつらさは尋常ではなかったろう。
しかし光太郎は逃げなかった。
かわりゆく智恵子をも愛し、
亡き後も智恵子のエーテルを愛しつづけた。
この本にはその過程が書かれている。
本を開けば流れ出すように智恵子への愛が滴り落ちる。
ここまで究極の愛を貫く光太郎と智恵子は
狂気に近い。
これほどの愛が存在したことが奇跡だ。
私は読了した後泣いてしまった。
それは、人を愛するということの辛さや深さを
何もわかっていない自分が情けなく
欺瞞に満ちた愛にまみれて生きている私に
純粋で無垢な愛をみせつけられてしまったからだ。
愛なんていう言葉はあやふやで信じるに足りないと
屁理屈を言っても
この本の詩のことば、ことばが突き刺さってくるのは
本物の愛を光太郎と智恵子がこの世で実現した証。
信じる、とたんに寂しくなる。
わたしには愛がわからない。
いつか…そのいつかを待っている。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

智恵子抄 (角川文庫)

アマゾンで購入する
角川書店から発売された高村 光太郎の智恵子抄 (角川文庫)(JAN:9784041164044)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.