戦略の本質 (日経ビジネス人文庫) の感想

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参照データ

タイトル戦略の本質 (日経ビジネス人文庫)
発売日販売日未定
製作者野中 郁次郎
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532194628
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 戦略・戦術

購入者の感想

第二次大戦をメインに扱った本です。
失敗の本質が日本史メインならこちらは世界史メインといった感じです。
まだバトルオブブリテンまでしか読めていませんが、失敗の本質に比べると少し分析の部分が物足りない感じもあります。また、書籍のコンセプトの都合上守勢側の話がメインです。
ただ、ビジネス書としても戦争分析本としても一読してみるだけの価値と面白さはあると思います。

本書は、古今東西における逆転の戦史を6例取り上げ、それぞれの戦いで逆転を成し得た本質的な要因を考察している著作です。また逆転を成し得た戦略の本質を理解することにより、大東亜戦争(太平洋戦争)での日本軍がなぜ逆転を成し得なかったについても考察しています。本書が取り上げている戦例は「中国国共内戦」「バトルオブブリテン」「スターリングラード戦」「仁川上陸戦」「第4次中東戦争」「ベトナム戦争」の6つです。

少し気になったのは逆転例として取り上げられているのがいずれも20世紀の事例であるという点です。「逆転の戦史」という考えた場合、20世紀以前の戦例からも拾えるはず(例えば関ヶ原等)。戦例を20世紀に絞ったため、「逆転」という意味ではややインパクトが弱い戦い(例えば「仁川上陸」「BoB」「第4次中東戦争」等)も含まれているように思います。

個人的な感想では、テクニカルな面、例えば戦略の水平展開、垂直展開といった辺りまではそれなりに理解できました。ただ、結論として取り上げている10の命題については話が抽象化し過ぎていて理解(というか納得)できませんでした。毛沢東にしてもチュイコフにしても、勝利を形にしたテクニカルな側面は納得できるのですが、それが例えば「毛沢東にはレトリックに優れていたから勝利した」とか「チュイコフにはリーダーシップがあったから勝利した」という風に結論付けられると「どうなのかな?」と首を傾げてしまいます。毛沢東のレトリックやチュイコフのリーダーシップを否定する訳ではありませんが、では敗北した側に「レトリックに優れた人物」「リーダーシップに優れた人物」が劣っていたということにはならないはず。レトリックやリーダーシップ等を「戦略の本質」とするという本書の結論については疑問なしとはしません。

劣勢ながらそれを逆転させた6つの戦いを紹介していて、戦史として読むと、その狙いのつけどころを面白く読むことができます。
ビジネスで応用できる戦略というよりも、戦史を理解しながら読むための戦略の本といった方が良いでしょう。この本の内容を「そのまま」仕事に生かそうというのなら経営者か政治家、人を束ねて動かす立場の人に限られるのではないでしょうか。0

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