レトリック (文庫クセジュ) の感想
参照データ
タイトル | レトリック (文庫クセジュ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | オリヴィエ ルブール |
販売元 | 白水社 |
JANコード | 9784560058336 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 言語学 » 言語学 |
購入者の感想
技術とは,それを持っている人が,それを持っていない人に対して優位に立つことのできるものです。だからこそ,それは,企業「秘密」とか,門外不出の「秘術」として一部の人しか享受できなかったし,そうでないとしても,長い時間をかけた研鑽の末に獲得できるものであるため,「素人には手が届かず,専門家だけが享受できるもの」でした。レトリックも,それが,「説得の技術」とされる限りにおいては,それをマスターした人が,それをマスターしていない人よりも優位に立ち,相手をやり込めるための技術であると考えられてきました。
本書は,そのような常識を打ち破り,レトリックは,その気になれば,誰もが,短期間で習得できる「開かれた技術」であり,しかも,その技術をマスターした者同士のコミュニケーションこそが,新しい「発想」を得たり,議論を通じて誰もが「納得」のいく結論を導くことができるものであることを明らかにしています。その意味で,本書は,「修辞学」として「文彩」に特化してきた従来のレトリックを,アリストテレスの原点に立ち返り,「説得の技術」として復活させたペレルマン『説得の論理学』の流れをくむ,新しいレトリックに関する第一級の入門書であるといえます。
本書の特色は,「新しいレトリック」の全体像をバランスよく解説しているだけでなく,レトリックの効用を,教育の観点から,次のように明らかにしている点にあります。
本書は,そのような常識を打ち破り,レトリックは,その気になれば,誰もが,短期間で習得できる「開かれた技術」であり,しかも,その技術をマスターした者同士のコミュニケーションこそが,新しい「発想」を得たり,議論を通じて誰もが「納得」のいく結論を導くことができるものであることを明らかにしています。その意味で,本書は,「修辞学」として「文彩」に特化してきた従来のレトリックを,アリストテレスの原点に立ち返り,「説得の技術」として復活させたペレルマン『説得の論理学』の流れをくむ,新しいレトリックに関する第一級の入門書であるといえます。
本書の特色は,「新しいレトリック」の全体像をバランスよく解説しているだけでなく,レトリックの効用を,教育の観点から,次のように明らかにしている点にあります。