オウム裁判傍笑記 の感想

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参照データ

タイトルオウム裁判傍笑記
発売日販売日未定
製作者青沼 陽一郎
販売元新潮社
JANコード9784104668014
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

 オウム裁判は、一言で言えるものではない。公訴事実の存否だけではなく、一人ひとりがどうして信じて行ったか、罪を犯したか、それなりに分かってきている。
 ところが、論者によってはろくに傍聴も行かず、裁判記録も読んでいなかったりする。毎日新聞の記録である現代書館の傍聴録、朝日文庫の降幡さんの傍聴録、それさえも読まないままに、批判したり陰謀論を展開したりする輩もいる、しょもな。
 『人権派』の中には、傘で穴を開けられるとは思えない、あるいは先を尖らせたのではないかと推測する、なぞと言う人もいる。何を言っているのか、そんなことは関心を持つものであれば、公知の事実である。
 この青沼さんの記録、すごいです。そう「笑い話」をメインにすえつつ、オウムの本質を浮き彫りにしている。麻原さんはマハームドラー、ポアの理論をもとに幹部らに殺人をさせただけではない、ほとんど笑い話としかいえない指示も多く出している。空とぶ座布団、潜水艦、レールガン、その他もろもろ。
 変装も好きで、坂本事件でも、滝本サリンでも、笑えるような変装をしている。目立たせない為にマスクとサングラスをした17歳の女性、それが私の車にサリンを任せた17歳の女性の「変装」だった。
 1990年10月の熊本県波野村捜査のとき、上祐・早川らは、女装して仙台まで逃げることを命令され、そのとおりにした。在来線で仙台まで。これも紹介されている。もう笑い話としか言いようがない。
 1990年4月、主観的には国会にボツリヌス菌をまいたりしたが、失敗ばかり、オーストラリアには核爆弾を作るためにウラン鉱石を掘りに行った。そんな先に松本サリンはあった。
 それは連合赤軍らとのおおきな違いの一つである。
 笑い話を含め、全体を知ってこそ、オウム事件の恐ろしさがまた分かってくる。

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