構造改革とはなにか―新篇日本国の研究 (日本近代 猪瀬直樹著作集) の感想

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タイトル構造改革とはなにか―新篇日本国の研究 (日本近代 猪瀬直樹著作集)
発売日販売日未定
製作者猪瀬 直樹
販売元小学館
JANコード9784093942317
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

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 いま毎日新聞で話題になっている道路公団の民営化問題。民営化推進委員をつとめる猪瀬直樹の著作集「日本の近代」第一巻が、まさに猪瀬が特殊法人改革に携わるきっかけとなった『構造改革とはなにか 新篇日本国の研究』である。
 96年に文芸春秋誌上で連載し、その年の文芸春秋読者賞に選ばれた『日本国の研究』に「公益法人の研究」、改題を加えた『構造改革とはなにか』は読みごたえ十分。
 日本国が700兆円もの借金を抱えるにいたったのはなぜか。日本国の景気が一向に回復しないのはなぜか。「官」がこれほどまでに日本の中枢に居座っていられるのはなぜか。なぜ無駄な高速道路建設がとまらないのか――。 本書は、読者の素朴な疑問に明快に答えてくれるはずである。
 複雑な日本社会のシステムを、猪瀬は“永田町、霞ヶ関、虎ノ門というトライアングル”という表現でクリアに描く。猪瀬自ら役所や特殊法人に足を運び、繰り返す一問一答がまた本書に説得力を与える。
 ひとりの作家がなぜ現在、国交省や道路族と必死で闘っているのか。猪瀬は6年前に『日本国の研究』で問題提起した従来の日本型システムと闘っているのである。本書を読めば、道路公団の民営化の意義が、単に一公団を株式会社にするということだけにとどまらないことに気づくはずだ。まさに官製トライアングルを打ち破る第一歩なのだから。
 それにしても、巨大な「官」製の日本システムを、これほどまでに鮮明に浮かび上がらせた作家がいただろうか。とくに道路公団や住宅・都市整備公団、水資源公団のファミリー企業を白日のもとにした成果は大きい。一作家がこれだけの調査報道を成し遂げたことは礼賛にあたいする。同時に、日本国の巨大メディアはなにをやっていたのかと憤りをおぼえずにいられない。

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