図説 金枝篇(上) (講談社学術文庫) の感想

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参照データ

タイトル図説 金枝篇(上) (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者ジェームズ.ジョージ・フレーザー
販売元講談社
JANコード9784062920476
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 原始宗教

購入者の感想

 宗教の起源や呪術との相違、そして現代における様々な迷信や詐欺までも理解するためには必須の文献だと思います。宗教と呪術がどう違うのかがこれで初めて理解できました(彼の説明には異論もあるそうですが)。また、私の住む福岡周辺で身近な例をひろうと、宝くじを買うのになぜ唐津の宝当神社に行くのか、キリスト教の大学の合格祈願でさえなぜ太宰府天満宮にお参りに行くのか、なぜ高級車に乗ると運転が乱暴になるのか、丑の刻参りでなぜ人形に五寸釘を打つのか(これは身近な例ではありませんが)がわかる事例が多く引かれています。
 金枝編については個人的に様々な失敗があります。まず20年以上前、岩波文庫の金枝編全5巻を読み上げたとき。ほっとしてよく表紙をみると「簡約版」の文字。5巻で簡約かいっと毒づきたくなりましたが、確かに個々の事例の注や類似事例を入れると、とても文庫5冊では収まらない。次に、特売で"Golden Bough"の原書を手に入れたとき。意気揚々と家に帰り、読み始めるとどこかおかしい。実は初版本だったのです(初版本には当然「初版」とは書いてありません)。ヨーロッパではどれほど版が改定されても、初版本は根強くリプリントされるという事情を知らないための失敗でした。当時は最終版の翻訳もなく、また原書の最終版もとても手の届かない価格。涙を飲んで諦めました。
 今日ではやっと完訳版が刊行されつつあるようですが、素晴らしい値段でとても手が出ません。そんなある日、本屋でふと目に止まったのがこれ。きれいなカラーのカバー、大きめの活字。あの大冊が2冊に要約(簡約版をさらに要約したのではないと編集者は断っています)された上、わかりやすい図までついています。値段も岩波の5冊に比べれば2冊で安い。最初にとっつくには手軽な本です。まずこれで概要を理解して、必要があれば図書館で完訳版に目を通す、というのが、最も有効な時間と資産の活用方法ではないでしょうか。おすすめです。(なお、完訳版もある程度売れないことには出版できませんので、必ず最寄りの図書館に購入希望を出してください)

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