目からウロコのジャズ・ギター ソロ・ギター・スペシャル・アレンジ(CD付) の感想

購入してから１年くらいになりますが、一曲ずつ、ユックリと練習しています。上級者の方には物足りない面もあるかと思いますが、私は大変満足しています。一曲が短いことは私にとっては良い面でもあります。繰り返し練習しやすいので。また、ギターならではの緊張感のあるパッケージなどもあり、これまでジャズギターを弾いてこなかった私にはとても新鮮です。こんなギターの鳴らし方があるのだな、と思って、とても楽しいです。見開きで一曲、というのも見やすいですし、製本がシッカリしているので、かなり乱暴に（？）扱っても、落丁などしません。考えられた一冊だと思います。

新進気鋭のジャズギタリスト、菅野義孝氏によるソロギターのアレンジ集。
ジャズギターの教則本は需要が多いのか近年では玉石混交の感があるが、信頼できる現役のジャズギタリストによる本は少なく、貴重である（布川俊樹氏の著作は名著だが、絶版が多い。）

菅野氏の著作は他に「目からウロコのジャズ･ギター」や「ジャズ・スタンダード・コレクション100」があり、アドリブの理論については前者、セッションでよく演奏されるスタンダード曲の解釈については後者が有益。
そしてテーマ（曲本来のメロディ）部分の演奏の仕方に関しては本書が大いに役に立ちそうだ。

もちろんセッション用の教材としてだけでなく、家で一人で爪弾くための洒脱なアレンジ集としても申し分ない。

菅野さんの目からうろこのジャズギター（続含め）教則本を3冊持ってたところ、楽譜集が出ていたので購入しました。通常のジャズギター楽譜は弾きやすいように開放弦を多用したアレンジが多く、クラシックギター奏法に近く、ピックと指で弾くには適当ではないものが多いように思います。また、よく聴くジャズギターのお洒落で綺麗な響きのコードとは違う印象でしたが菅野さんのアレンジではそのあたりのテンションコードなどの使い方が、よく聴くジャズギターのフィーリングと同じようになっています。従ってジャズギターしろうとの私には運指は簡単ではないのですが、このお洒落なコードワークを達成したいという欲求を刺激してくれるものでもあります。アレンジにおいては全曲すばらしいですが、エンディングが特にすばらしいと感じました。ジョー・パスなどの多くの偉大なギタリストのフレーズ、エッセンスを十分に取り入れたもののようで、他の曲への応用やアレンジなどにも効果的と思います。付属ＣＤの菅野さんの演奏を聞いていると脈打つような進行で一定のテンポではなく、速めたり、引張ったりで情感豊かに演奏されているので表現力の勉強にもなります。菅野さんの教則本に掲載されていた練習曲数曲が気に入っていましたので今回の30曲の楽譜は、待ちに待った1冊ですので、たいへん満足しています。付属ＣＤ全曲に聴き入ってしまい、練習するのを忘れてしまいました。（笑）続編も期待しています！