In Defence of Food: The Myth of Nutrition and the Pleasures of Eating の感想
参照データ
タイトル | In Defence of Food: The Myth of Nutrition and the Pleasures of Eating |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Michael Pollan |
販売元 | Allen Lane |
JANコード | 9781846140969 |
カテゴリ | » 洋書 » Special Features » all foreign books |
購入者の感想
栄養学はまだ頼れるような結果を出していないのに、スーパーで売られている食品のようなもののラベルには栄養学の語彙がいっぱいだ…今はそれに惑わされずに、昔からの常識を取り戻して食品を選ぼう、という本です。日本語版では「ヘルシーな加工食品はかなりヤバイ」とかいったタイトルがついています…確かにそういうことを著者は言っているけど、この本、一時日本ではやった「買ってはいけない」みたいなのとはちょっと違うのですね。「食を守る…食べる人のマニフェスト」とでも、普通に訳したほうが良かったのではないか、と思います。ポーランはセンセーショナリズムとは対極の位置にいるジャーナリストだからです。加工食品の悪をいちいち暴く、といったことではなく、なぜこうなったのか、ということを分かりやすく解説することに主眼が置かれています。栄養学の歴史について触れながら、それがどのように大企業に利用されてきたかということが書かれています。また、アメリカのピューリタニズムと、さまざまなところからきた移民の文化的ルーツを断ち切って、新しいアメリカ文化を創ろうとした運動が、結局は何をどのように食べるかといったことを伝承してきた文化をつぶしてしまった、ということについても触れられています。ポーランはバランスのとれた、とても良いジャーナリストだと思います。話も上手で、彼の講演をyoutubeなどで見ることができます。日本人なら誰でも知ってる「腹八分」を沖縄の習慣として紹介しているという間違いはあるけれど、大目に見ましょう。