猟奇的な彼女 [DVD] の感想

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僕はこの映画を彼女と一緒に見ました。

彼女の方は激しい拒絶反応を示しました。曰く、「いくら可愛くても、こんな乱暴な女性イヤだな〜」

自分の感情のままに男を引っ張りまわし、暴力・暴言当たり前の「彼女」。確かに美人じゃなければ誰も相手にしないような女性です。

しかし僕は感動しました。

映画の中の「彼女」が乱暴なのは、（元々暴力的になる素質はあるにしても）昔の思い出から心に深いキズを負っていて、また、キョヌを想う自分の気持ちに罪悪感を感じているから。キョヌに昔の恋人の面影を重ね、心惹かれるけど惹かれちゃいけない、ぞんざいに扱ってしまいたいけど離れられない、そんな狭間で苦しみながら暴力を振るう彼女の姿が痛々しく見えました。

そして、そんな彼女の気持ちを、詳しい事情は分からないにしても敏感に感じ取っているキョヌ。彼女の苦しみを見通しながら、弱い立場に甘んじて暴力を受け入れ、彼女を理解してあげようとする彼の優しさ、心の広さには並ではない愛を感じます。

表面上は「強い女性と弱い男性」に見える二人ですが、実はその内面では「弱い女性と強い男性」という逆の関係になっています。彼女の心の弱さを汲み取ってあくまでも優しくしようとするキョヌの強さには本当に心を打たれました。