ALIVE (初回限定盤)(SHM-CD+DVD) の感想

最高ですね、いつもながら彼女の作品のクォリティは非常に高く
今回も素晴らしい作品です♪

1.Aliveは、本人が分かりやすい例えで説明する「シンバシ,シンバシ,タマチ,タマチ」の変則リズム ( 27/16拍子 ) を多用した難度の高い曲。
本人曰く「3人でブートキャンプをしてきました。」的な修練を積んだ成果であり、このアルバムのタイトルチューンにふさわしい。これでもかと言わんばかりの超絶技巧の連続は、否が応でもドリームシアターやLTE (リキッドテンションエクスペリメント）等を彷彿させる。
2.Wanderer, 3.Dreamer は、ともに美しい旋律と見事な構成美という点で、本アルバムの中では群を抜いて素晴らしい。惜しげも無く繰り出される高度なテクニックは、全く嫌みがなく、極めて自然であり、上品だ。そういう意味ではタイトルチューンとは対照的だ。アンソニーのメロディアスなベースラインが郷愁を誘う。
4.Seekerは、意外にもキャロルキングを彷彿させるポップチューン。「つづれおり」が好きという彼女だが、当然それだけにとどまらず、後半部は上原節が炸裂。Vocalがなくても、歌詞がなくても、桁違いの説得力で我々リスナーをとりこにする。彼女こそが真の探求者だ。
5.Playerは、挑発的な変拍子のリフで始まる。重戦車のようなアンソニーとサイモンのリズムセクションも強力だ。後半部は、ピアノトリオの真骨頂ともいうべきもので、やや古典的な一面も垣間みられる。
6.Warriorは、アルバム中最もプログレ然とした曲。Voiceを彷彿させる切なくも美しい導入部から、一転してEL&PやKENSO,桜庭統の「戯曲音創」等を思わせるアグレッシブな鍵盤プログレ、中間部でインプロを展開後、後半途中でRTF（リターントゥーフォーエバー）を思わせる３人の超絶ユニゾンをはさみ、最後に再びプログレへと回帰していく。圧巻。
7.Fireflyは、「まるで音に導かれるままに１日でできた。」という感動のピアノソロ曲。美しくもはかない蛍。この曲こそぜひ「生」で、「ライブ」で聴きたいものだ。
8.Spiritは、上原流ゴスペルソング。ダイナミックでなおかつ繊細。
9.Life Goes On

待ちに待っていました。予約していた本作品が届いて、もう何回も聴いています。私個人的には、現代のピアニストの中で、もっとも好きな上原ひろみさんですが、とくに、このトリオ・プロジェクトにはぞっこん惚れ込んでいます。
ネタバレになるようなことは書きたくないので、感想に終始しますが、とにかく素晴らしい作品です。全体的に静かな部分も多いのですが、上原さんの感情が籠っている感じがして、心が動かされます。たぶん、ライブで目の前にしながら聴いたら、泣いてしまうでしょう。
　サイモン・フィリップスさんも、アンソニー・ジャクソンさんも、今まででの作品と比べて段違いに感情を込めて演奏しているように感じます。音もメロディーも豊かです。上原さんとそれぞれが掛け合ったり、ソロをとったりと三人組としての表現も多彩。
　初回特典のDVDには三人のコメントも収録されており、なるほどとうなずける発言。上原さんの誠実な感じの英語による説明もかわいいです。
　すべての音楽を愛する方々に聴いていただきたいと願っています。0