アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換 の感想

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参照データ

タイトルアクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換
発売日販売日未定
製作者溝上 慎一
販売元東信堂
JANコード9784798912462
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般

購入者の感想

アクティブラーニングに関心があって勉強しているんだけど、アクティブラーニングは、人によって言っていることが違っていて、よくわからないものだった。少し難しかったけれど、何回か読んでわかるようになってきた。この本は、国内外の議論と実践を広く見渡していて、全体像がつかめる内容になっている。これまで、こういった全体像をつかむ作業がなされてこなかったような気もするので、とても大事な本だと思う。大学だけでなく中学・高校も含めた今後のアクティブラーニングの議論や実践のための土台になるような文献な気がする。

本書は大学教育のなかで提唱されているアクティブラーニングに関する理論的概説書である。著者も述べているように、アクティブラーニングに関する実践紹介の本や論文はたくさんあるが、理論的な定義や海外での代表的な見方をしっかりおさえて論じられているものはほとんどない。本書はそれに応えるものであり、アクティブラーニングの考え方を理論的に概説した専門書として理解される。この本を通して、アクティブラーニングのノウハウを学ぼうなどと思ったら、がっかりするだろう。そういう本ではない。アクティブラーニングはなんなんだと気になる者にとっての必携の本である。
個人的には、昨年末から中教審に諮問され、大学教育だけでなく、初等・中等教育まで拡げて導入されようとしているアクティブラーニングに、著者がどうつなげていくか、とくに高校教育との接続に興味がある。本書は中教審への諮問以前に出版された本なので、この点当然言及がないが、今後の論の展開を課題として期待して、星4つとする。

名教師(名教授)という言葉はよく使われますが、一方「名学生(名生徒)」という言い方はあまりないようです。だが、教育の理想の姿は、名教師と「名学生」による教授と学習の協働に他ならないと思います。そして「名学生」になるための条件として、自ら進んで学ぼうとする能動性が欠かせません。しかし今日日本の教育は、小中高の教育から大学での講義中心の授業に至るまで、知識伝達型の、つまり「まねび(真似び)」の傾向が強く、その中で育ってきた大学生の多くは、「名学生」に成長する契機を欠いていると言えるでしょう。彼らが自主的・能動的な学習に目覚めるには、教師によるイニシアティブが必要なのです。私は、アクティブラーニングとは、この自主的・能動的な学習の総称と理解していますが、それを実際に行うためには、すでに試行されているいくつかの技法に学ぶに越したことはないと思います。その点本書では、そうした利用できる諸技法や、さらに学習を深化させる工夫なども順序よく説明されていて、実践への基礎作りに参考になる頁が多いのではないでしょうか。もちろん、各大学にはそれぞれ固有の状況があり、本書を読んだからただちに具体的に授業を行えるというわけではないでしょうが、そのためのヒントとなりそうな実例集やガイドブックも紹介されており、「名学生」出現の期待を抱きつつ、熟読すべき本だと思いました。もとより本書は大学を対象としているのですが、高等学校以下についても今後の論考を期待しております。

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東信堂から発売された溝上 慎一のアクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換(JAN:9784798912462)の感想と評価
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