風俗で働いたら人生変わったwww (コア新書) の感想

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まーよくある風俗嬢の告白ものかと高を括っていたら、意外にもしっかりした風俗論で、そこにまず驚いた。

面白いキーワードが散りばめられていて、それぞれ説得力がある。ぶりっこ論のあたりは、なにやらレトリックで誤魔化されてるような気がしないでもなかったが、「媚びを正しく買わせる」という表現は気に入った。

五章でテーマになってる売春の合法化と非犯罪化については、以前からそういう議論があるてことくらいは知ってたけど、いまいち理解しきれていなかった。現時点では著者の解説が、多分一番分かりやすいんじゃないかと。

それにしてもこれだけしっかりした言葉で風俗論を語れる人が現場から出てきたというのが頼もしい。

構成がやや雑で、ひとつひとつのテーマが尻切れ気味なきらいもあったけど、日本の風俗嬢の底力を大いに感じさせてくれたので、今後の期待を込めて星5。

「AV女優の社会学」ならぬ「風俗嬢の社会学」みたいなの書いてみたらどーだろう。

水嶋かおりんさん待望の第２弾の書籍化です。

冒頭の序章で彼女自身の半生に触れており、これが第１章からの重要な導入部になっています。
風俗に携わるまでの人生が有ったからこそ、彼女をここまでのレベルに引き上げる重要な要素になっていることが分かりますし、彼女自身のモチベーションになっていると思われます。

全編を通して、彼女が、自分、他人そして社会に向き合い、関わり、観察し、考え、そして行動する、という姿勢が貫かれており、それが今の彼女のベースになっていることが伺えます。
社会に向き合い、というのが他の多くの風俗嬢と彼女との違いでは無いかと感じさせられます。

関係を持ちたくないと思われるような相手で有っても、とにかく一度は関係を持った上で判断する、という姿勢が貫かれています。
特に第四章におけるフェミニズムとの関わり方に良く現れていると思われます。

風俗に携わったことが無い人が持つ、偏見や誤解を解きほぐし、風俗への理解を進めるため、風俗の実状を書ける範囲で最大限書いていると思われ、風俗に関係の無い人にとっても大いに参考になると思われます。
と同時に、法律問題や税、社会保障にまで言及する、幅の広さ、懐の深さは、真摯に社会に向き合い、関わり、観察し、考え、そして行動した成果だと思われます。

また、風俗の業種やサービスについての解説もあり、今まで知る機会が少なかった人にとっても分かりやすくなっています。そのため、男性のみならず女性にとっても理解しやすい内容だと思います。
勿論、現役の風俗嬢、あるいは風俗を仕事としようとしている人にとっては、非常に参考になると思われ、必携となる可能性を秘めていると思われます。

この本に書かれていることが、全て彼女が体験した事に基いており、同じレベルの本を書くことが出来る人は一握りと思われ、それだけに貴重です。

残念なのは、序章の元になった、彼女の第１作が絶版になっており、入手困難なことでしょうか。
「私は風俗嬢講師」（ぶんか社刊）
http://www.amazon.co.jp/dp/4821142511