「深読み」読書術: 人生の鉱脈は本の中にある (単行本) の感想
参照データ
タイトル | 「深読み」読書術: 人生の鉱脈は本の中にある (単行本) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 白取 春彦 |
販売元 | 三笠書房 |
JANコード | 9784837925712 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 読書法 |
購入者の感想
読書好きとしては、「読書」について書いてあるメタ本がどうしても気になるわけで、これも一旦はスルーしたものの引き戻されて読んでしまった。結果、なかなかに楽しめた。だいたい聞いたことのあるようなはなしを、ぐだぐだしている本が多い中、これは新鮮な見解が多く、一気読みしてしまった。
例えば「書物はたった二つに大別できる。それは、耳でわかる書物と、頭で考えて理解される書物の二種類」。長年もやもやしていたことが少し晴れたような気がした。
しかしながら、残念な点もあった。
「著者の疾病や人生の一部と、その著作の価値は直接的には結びつかない」とニーチェを擁護しつつ、その一方では「働かずに他人の金でぜいたくに暮らしていたマルクスが「あらゆる歴史は階級闘争の歴史である」と声高に述べて、多くの労働者がその闘争を正しいと信じてしまった」とマルクスを落としている。
本の中で散々「あなたはこんな先入観に踊らされていないか」と警告していながら、本人が「ぜいたくに暮らしていた人は、労働者のことはわからないはず」という先入観にとらわれていないか。まさに「著者の人生の一部と、その著作の価値は直接的には結びつかない」わけで、「資本論」に価値があるかないかは、各自が自分自身で読み込んで判断するべきであろう。
例えば「書物はたった二つに大別できる。それは、耳でわかる書物と、頭で考えて理解される書物の二種類」。長年もやもやしていたことが少し晴れたような気がした。
しかしながら、残念な点もあった。
「著者の疾病や人生の一部と、その著作の価値は直接的には結びつかない」とニーチェを擁護しつつ、その一方では「働かずに他人の金でぜいたくに暮らしていたマルクスが「あらゆる歴史は階級闘争の歴史である」と声高に述べて、多くの労働者がその闘争を正しいと信じてしまった」とマルクスを落としている。
本の中で散々「あなたはこんな先入観に踊らされていないか」と警告していながら、本人が「ぜいたくに暮らしていた人は、労働者のことはわからないはず」という先入観にとらわれていないか。まさに「著者の人生の一部と、その著作の価値は直接的には結びつかない」わけで、「資本論」に価値があるかないかは、各自が自分自身で読み込んで判断するべきであろう。