The Great Divorce CD の感想

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参照データ

タイトルThe Great Divorce CD
発売日販売日未定
製作者C. S. Lewis
販売元HarperAudio
JANコード9780060572952
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » HarperCollins

購入者の感想

 C.S.ルイスのキリスト教布教のためのファンタジー。タイトルのdivorceとは、天国と地獄の間の「離婚」のこと。ブレイクが天国と地獄の結婚について書いたことから、ルイスは「離婚」を書いたと初めに記されている。ルイスのメッセージは、つまり、人間は「ほんの少しの地獄」を残したまま天国に入ることはできないとういうことだ。天国を受け入れるか、そうでなければ地獄に残るか、すべてを手にするかそれとも何も手にしないのか、どちらかしかない。それが、この本の語ろうとしていることである。 
 主人公は、何人かの人々とバスに乗って、地獄から天国へ旅をする。天国に行くのはそんなに簡単なものなのだが、興味深いのは、誰も天国には留まりたがらないということ。それはなぜかといえば、自分が1番大切にしてきたものを捨てることを意味するから。彼らは、1度捨てたものをもう1度今度は永遠に得る、ということが理解できない。その「大切なもの」は、人によって違う。母の息子に対する愛も度を過ぎれば自己愛になって、天国に入るのに最も大きな障害となってしまう。自分の不幸をあまりに憐れんで、悲劇にひたっている状態もしかり。(Tragedianという、この物語で最もおもしろいキャラクターが登場する。comedianの代わりに、悲劇を演じるtragedian!)色々な人々が登場して、それぞれに自分の「偶像」を捨てられない。彼らの言い分は、日常生活ではごく当然だと思われるような事柄なので、彼らに非常によく共感できる。(殺人犯が天国にいるのを見て、憤慨する男や、芸術を神にしてしまった芸術家、など)
 自分を捨てる、というのは簡単そうにも思え、(ほんの一線を越えて、神の前に自分を本当に投げ出せばよい)、とても難しそうにも思える(特に、息子を失った母のエピソードを読んだ後では)。それでも、目がさめるように感じさせられることは確かだ。ぼんやりと日常生活を送っていてはダメだと。

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