A Murder of Quality: Library Edition の感想

どうして英国のpublic school出身の知識人は自分の出身のpublic school を舞台にした、それもpublic schoolを貶めるような作品を書くのでしょうかね？おそらく本音ではないのでしょうけど。作品まで昇華させることはなくても、orwellやforsterなどのpublic schoolに対する評論などでの言及は辛らつなものが多いですね。公の場所では、身内をほめたりすることは恥ずかしくて出来なのいかもしれません。それとも青春時代の恥部を脚色して第三者に公開することは彼等の美意識が許さないのかもしれません。日本でいえば東京出身の早稲田の卒業生にその傾向が見られるようですけど。この作品についても、私にはわかりませんが、読む人が読めば、どこのpublic schoolを舞台にしているのかは、一目瞭然なのかもしれません。もしかしたら実在のモデルまでいるのかもしれません。古典的な犯人探しの形式を踏襲していますが、主人公はsmileyです。また短く作られていて、プロット自体は複雑ですが、その後のthe spy who came in from the coldなどに比べると格段に読みやすい作品に仕上がっています。