ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書) の感想
参照データ
タイトル | ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 赤塚 聡 |
販売元 | ソフトバンククリエイティブ |
JANコード | 9784797356397 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門 |
購入者の感想
戦闘機の戦い方を記述した本
この著者の赤塚さんは、元自衛隊のF15Jのパイロットとまさにこの本を書くには最適な
人になっています。
この本の構成は、
1.戦闘機の機動の基本を知る
いわゆる飛行機に働く4つの力から始まり、バレルロール・アンロード加速など
戦闘に使う飛行機の動き(機動)について説明しています。
2.各種の基本戦闘機動
この章が、いわゆるドッグファイト(戦闘機同士が飛行しながら戦う)方法を記載しています。
おもしろいのは、最近のドッグファイト方式に加え、ゼロ戦の時代の方式である
木の葉落としや、スナップロールまでカバーしています。
3.戦闘機に搭載される、武装
機関銃(バルカン砲)から、ミサイル、チャフ、フレア、ECM装置、火気管制レーダーと
さすが、元F15Jパイロットです。見開きでわかりやすく解説してくれています。
4.戦闘機の戦い方
各時代における典型的な戦い方について、まとめています。また、不審機発見から
戦闘に至るまでの手順もこれまたわかりやすく解説しています。
5.6.曲技飛行の技、素朴な疑問
最終2章は、おまけというか、曲技飛行について述べているのと、QA集で締めくくっています。
見開きで、左側に解説、そして右側に写真もしくはイラストが書いてあり
この本のために編集されていることもあり、とてもわかりやすいです。
そして、私の様な素人に毛が生えた程度の人間の興味が沸くような内容にとどめている配慮など
とても心憎い本になっています。
専門的に研究されている方や、いわゆる「オタク」の人の興味には少し向かないかも
しれませんが、私の様な素人にはとてもおもしろく読むことができました。うれしいです。
この著者の赤塚さんは、元自衛隊のF15Jのパイロットとまさにこの本を書くには最適な
人になっています。
この本の構成は、
1.戦闘機の機動の基本を知る
いわゆる飛行機に働く4つの力から始まり、バレルロール・アンロード加速など
戦闘に使う飛行機の動き(機動)について説明しています。
2.各種の基本戦闘機動
この章が、いわゆるドッグファイト(戦闘機同士が飛行しながら戦う)方法を記載しています。
おもしろいのは、最近のドッグファイト方式に加え、ゼロ戦の時代の方式である
木の葉落としや、スナップロールまでカバーしています。
3.戦闘機に搭載される、武装
機関銃(バルカン砲)から、ミサイル、チャフ、フレア、ECM装置、火気管制レーダーと
さすが、元F15Jパイロットです。見開きでわかりやすく解説してくれています。
4.戦闘機の戦い方
各時代における典型的な戦い方について、まとめています。また、不審機発見から
戦闘に至るまでの手順もこれまたわかりやすく解説しています。
5.6.曲技飛行の技、素朴な疑問
最終2章は、おまけというか、曲技飛行について述べているのと、QA集で締めくくっています。
見開きで、左側に解説、そして右側に写真もしくはイラストが書いてあり
この本のために編集されていることもあり、とてもわかりやすいです。
そして、私の様な素人に毛が生えた程度の人間の興味が沸くような内容にとどめている配慮など
とても心憎い本になっています。
専門的に研究されている方や、いわゆる「オタク」の人の興味には少し向かないかも
しれませんが、私の様な素人にはとてもおもしろく読むことができました。うれしいです。
著者の赤塚氏は、学生時代から航空雑誌に投稿されているのをお見かけしたが、後に自衛隊に入隊、イーグルドライバーになられるという、評者の様なただのヒコーキマニアからみればまさに「雲の上の存在」である。
このため、本書には実際の戦闘機操縦経験に基づく貴重な知見が収められている。
新書版オールカラー、約200頁の本書は、基本的に1トピックス2頁の記事約90編から構成される。これらは航空工学、戦闘機動概説、兵装関連ハードウエア、空中戦の歴史、曲技飛行、FAQの6項目にカテゴライズされており、それぞれテキスト1頁、図版1頁のフォーマットでまとめられている。
記述は、航空雑誌の読者が記事をより深く理解するのに適切なレベルで、これらの雑誌に頻出する専門用語(「シザーズ」、「ヨーヨー」、「エネルギーマネージメント」など)を分かりやすく解説されている。
特に1章に記述された航空工学の内容(揚力、荷重倍数、旋回性能の関係)、2章に示されたエネルギーと空戦の幾何学は、エンジニアリングとドッグファイトの関連をこれほど解りやすく解説された類書を他に知らない。このあたりは、「プロフェッショナルなファイターパイロット」ならではの内容と思う。
また、3次元空間に展開されるマヌーバの軌跡を表現したイラストも大変高品質で、テキストで記述されたロジックや操縦方法の理解を容易にしてくれる。
各トピックスは短く簡潔にまとめられており、現代の空戦のみならず、WW1からベトナム、中東、フォークランドなどにも触れられるなど、ヒコーキマニアにとっては「食べやすく栄養価の高い」書籍である。
最後に指摘事項を一点。
P38 エネルギーの式に含まれるWは重量ではなく質量である。
【追記】
上記指摘事項は、第3刷では修正されている。
このため、本書には実際の戦闘機操縦経験に基づく貴重な知見が収められている。
新書版オールカラー、約200頁の本書は、基本的に1トピックス2頁の記事約90編から構成される。これらは航空工学、戦闘機動概説、兵装関連ハードウエア、空中戦の歴史、曲技飛行、FAQの6項目にカテゴライズされており、それぞれテキスト1頁、図版1頁のフォーマットでまとめられている。
記述は、航空雑誌の読者が記事をより深く理解するのに適切なレベルで、これらの雑誌に頻出する専門用語(「シザーズ」、「ヨーヨー」、「エネルギーマネージメント」など)を分かりやすく解説されている。
特に1章に記述された航空工学の内容(揚力、荷重倍数、旋回性能の関係)、2章に示されたエネルギーと空戦の幾何学は、エンジニアリングとドッグファイトの関連をこれほど解りやすく解説された類書を他に知らない。このあたりは、「プロフェッショナルなファイターパイロット」ならではの内容と思う。
また、3次元空間に展開されるマヌーバの軌跡を表現したイラストも大変高品質で、テキストで記述されたロジックや操縦方法の理解を容易にしてくれる。
各トピックスは短く簡潔にまとめられており、現代の空戦のみならず、WW1からベトナム、中東、フォークランドなどにも触れられるなど、ヒコーキマニアにとっては「食べやすく栄養価の高い」書籍である。
最後に指摘事項を一点。
P38 エネルギーの式に含まれるWは重量ではなく質量である。
【追記】
上記指摘事項は、第3刷では修正されている。