Quantum Fields in Curved Space (Cambridge Monographs on Mathematical Physics) の感想

曲がった時空に量子場を入れるとどうなるか、を詳しく書かれた本。似た内容の本としてWaldの書いた赤い本があるが、あれは独学には最悪の本である。Waldの本は新しい本であるが、首尾一貫しておらず、最終的に、後ろにサイトしてある論文を全て読まないと分からないように書かれている。それに対し、この本は曲がった時空でのQFTの本としては詳しく書かれている本である。そして、それなりに首尾一貫している。そのかわり少し古い本である。この本も読み進めるにしたがって、後ろにサイトしてある論文を読まなければいけなくなるが、Waldの書いた本に比べれば随分といい。最近の結果と照らし合わせて読みたいのならば、Fordさんが書いたレヴューgr-qr/9707062と一緒に読むといいであろう。しかし、Fordのレヴューもすでに少し古い。現在でも曲がった時空での量子力学の結果を論文などでサイトするのならこの本がサイトされることが多い。