ダブルギアリング 連鎖破綻 (角川文庫) の感想

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参照データ

タイトルダブルギアリング 連鎖破綻 (角川文庫)
発売日2014-12-25
製作者真山 仁
販売元KADOKAWA/角川書店
JANコード9784041017647
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

バブル期の金融・生保の利益追求構造が内部告発を基礎にしているだけに、リアル感がある。当時を現役バリバリでかつ堅実な製造業に従事していた私はバブルに群がっていた企業・業界を憤慨し、間違っていると叫んでいましたが、潤沢な接待費で無茶苦茶な生活をしていたと今に思います。この小説はピークが諸所有りますが、その前段階が迫力がありますが、そのクライマックスはスルーで済まし、劇的な展開や表現を期待してると、空かされてしまいます。最後などはその典型で、「これで終わり?」と言う感じ。それで☆一つ減点しました。

ハゲタカシリーズの真山仁氏による幻の第一作。

ストーリーはハゲタカシリーズのような大きなスケールの経済小説。

保険会社の闇を鋭く切り裂いている。

そもそも保険とは何か?
基本的には「皆で少しずつお金を出し合い、誰かに何か不幸が在った時にそれを使おう」という
ものだと思う。
構造的にはギャンブルのようなもので、当たる確率は低い。
保険がギャンブルともっとも違うのは「当たってほしくない」ということ。
もしもの時の「安心」を「お金」で買っているようなものだ。
本来それだけでいいはずである。

それならば営利集団である会社ではなく国など公共機関がやるべきことだと思う。
会社である以上、被保険者によりメリットを出すために競争せざるを得なくなり、
結果としてより大きな利潤を求め、投機的なってしまう。

この小説の主舞台でる清和生命はまさしくその成れの果てである。
清和生命はバブル景気や経営者の乱脈経営の結果として描かれているが、
保険会社そのものが大きな矛盾を抱えているといえよう。

私自身も保険のトップセールスマンや経営者の方のセミナーなどを受けたことがある。
高邁な理想を持ち、安心やライフプランニングを掲げている(ように見える)。

しかし、被保険者の利益は保険会社の利益と相反関係となる。
被保険者の払う保険料の一部が会社の利益や
セールスの給料になっている以上、絶対にそうならざるえない。

主人公2人は保険の本来の理想を目指し、悪戦苦闘するが、
それはおおいなる矛盾との戦いであるように思えた。

ハゲタカシリーズ同様、ストーリーはエキサイティング、登場人物は魅力・個性があり、
抜群のリアリティーで読者の知的好奇心を満たしつつ、最後まで一気に読ましてくれる。
しかし、真山氏の小説ではよくあることなのだが、またしてもラストがブツ切りな感じだった。

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