ローマ亡き後の地中海世界4: 海賊、そして海軍 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | ローマ亡き後の地中海世界4: 海賊、そして海軍 (新潮文庫) |
発売日 | 2014-08-28 |
製作者 | 塩野 七生 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101181974 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
待ちかねた後半(3,4)が出版されてので、早速読んでみた。おもしろい!「海の都の物語」は何度か読んだのでそれとの比較は・・と思ったら、著者のまとめが「付録2関連する既刊書」(4のp310)に書かれていた。(以下引用)「『海の都の物語』は・・、これはもう、『ローマ亡き後の地中海世界』と対を成す作品。舞台は地中海。時代も、古代ローマ滅亡後の一千年と同じ。ちがうのは「海の都」はヴェネチアに立って地中海をみているのに対し、「亡き後の地中海」のほうは、地中海の中央にいて東西南北に視野をめぐらせていることのみである。」(引用終わり)
いずれも強大なオスマントルコに対してどう対応するか・・が問題だった。特に、オスマン帝国(陸軍はお手の物だったが・・)の「海軍」がサラセンの「海賊」にその運用を任せるようになってからは、対抗上艦隊を編成して立ち向かうのだが・・。法王庁、ジェノヴァ、スペイン、マルタ騎士団、時にヴェネチア(貿易さえできればあえて闘わなくてもいいというスタンスだった)の利害が錯綜し、なかなか、一枚岩にはならない。スペインとフランスの対立もあったりする・・。
という訳で、塩野さんが別途書いた、『コンスタンチノープルの陥落』、『ロードス島攻防記』、『レパントの海戦』まであわせ読めば、(幸い、全部、これまで読んでいた)更に、「枝葉」がわかって面白い。
読んでいて、地中海のクルーズ船にでも乗って、のんびりとここに登場する各地を回ってみたいな・・との感想を持った。ロードス島(かつてマルタ騎士団が本拠地にしていた。トルコに奪取された。)、キプロス(ヴェネチアが良質ワインを作っていたが、スルタン・セリム二世(イスラム教徒なのに大酒のみだったとか)がこれに目をつけ奪取・・)、リヴォルノ(トスカナの聖ステファノ騎士団の本拠地)、マルタ島、ゴゾ島(今残っている城塞は、1565年のトルコのマルタ島攻撃のあと、拡充したものだそうだが・・)・・。
いずれも強大なオスマントルコに対してどう対応するか・・が問題だった。特に、オスマン帝国(陸軍はお手の物だったが・・)の「海軍」がサラセンの「海賊」にその運用を任せるようになってからは、対抗上艦隊を編成して立ち向かうのだが・・。法王庁、ジェノヴァ、スペイン、マルタ騎士団、時にヴェネチア(貿易さえできればあえて闘わなくてもいいというスタンスだった)の利害が錯綜し、なかなか、一枚岩にはならない。スペインとフランスの対立もあったりする・・。
という訳で、塩野さんが別途書いた、『コンスタンチノープルの陥落』、『ロードス島攻防記』、『レパントの海戦』まであわせ読めば、(幸い、全部、これまで読んでいた)更に、「枝葉」がわかって面白い。
読んでいて、地中海のクルーズ船にでも乗って、のんびりとここに登場する各地を回ってみたいな・・との感想を持った。ロードス島(かつてマルタ騎士団が本拠地にしていた。トルコに奪取された。)、キプロス(ヴェネチアが良質ワインを作っていたが、スルタン・セリム二世(イスラム教徒なのに大酒のみだったとか)がこれに目をつけ奪取・・)、リヴォルノ(トスカナの聖ステファノ騎士団の本拠地)、マルタ島、ゴゾ島(今残っている城塞は、1565年のトルコのマルタ島攻撃のあと、拡充したものだそうだが・・)・・。