儀式(上) (講談社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 儀式(上) (講談社文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | パトリシア・コーンウェル |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062930116 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
物語は、正味一日。実に詳細に、くどいほどに詳細に状況を描きながら進む。
不審遺体を発見・回収して見聞するまでに上巻をまるまる消費するというレベルだが、
しばしばスカーペッタとマリーノやベントンの過去などには触れるものの
近作のなかでしばしばあったような物語の本筋に関係のない脇役への恨み言やら
なんやらといった脱線はあまりなく、直面している事件の詳細を描くことで頁は進む。
各キャラクターの過去に関する描写も、今現在の事情に繋がる内容なので、
病的なまでにスカーペッタが過去にこだわり続けてきたここ数作とは印象が違う。
例によってスカーペッタをイラつかせる同僚や不愉快なマスコミも登場するが
彼等への恨み言はさらりと簡素に書かれるのみで、これも随分印象が変わった。
事件にまつわる描写は、現代的な新技術にまつわる話題も取り混ぜつつ
しつこいほどに詳細に描かれるが、これこそが検死官シリーズの真骨頂。
謎の多い遺体の状況は、上下巻にわたって読者の興味を十分に維持するに足る。
最後の謎解きも、やや持って回った感も無くは無いが、十分に納得のいくものだった。
犯行の構図は、物語を読み進むだけではとても到達できないようなものだったが、
これもまた当初からのこのシリーズ特有のもの。
ここ数作の迷走で振り回されてきたが、近作の中では文句なしに一番面白かった。
シリーズ初期の魅力を忘れられない方、高価格にうんざりせずぜひご一読を!
不審遺体を発見・回収して見聞するまでに上巻をまるまる消費するというレベルだが、
しばしばスカーペッタとマリーノやベントンの過去などには触れるものの
近作のなかでしばしばあったような物語の本筋に関係のない脇役への恨み言やら
なんやらといった脱線はあまりなく、直面している事件の詳細を描くことで頁は進む。
各キャラクターの過去に関する描写も、今現在の事情に繋がる内容なので、
病的なまでにスカーペッタが過去にこだわり続けてきたここ数作とは印象が違う。
例によってスカーペッタをイラつかせる同僚や不愉快なマスコミも登場するが
彼等への恨み言はさらりと簡素に書かれるのみで、これも随分印象が変わった。
事件にまつわる描写は、現代的な新技術にまつわる話題も取り混ぜつつ
しつこいほどに詳細に描かれるが、これこそが検死官シリーズの真骨頂。
謎の多い遺体の状況は、上下巻にわたって読者の興味を十分に維持するに足る。
最後の謎解きも、やや持って回った感も無くは無いが、十分に納得のいくものだった。
犯行の構図は、物語を読み進むだけではとても到達できないようなものだったが、
これもまた当初からのこのシリーズ特有のもの。
ここ数作の迷走で振り回されてきたが、近作の中では文句なしに一番面白かった。
シリーズ初期の魅力を忘れられない方、高価格にうんざりせずぜひご一読を!