池上彰の「経済学」講義 歴史編 戦後70年 世界経済の歩み の感想

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参照データ

タイトル池上彰の「経済学」講義 歴史編 戦後70年 世界経済の歩み
発売日販売日未定
製作者池上 彰
販売元KADOKAWA/角川マガジンズ
JANコード9784047316522
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

こういう先生がどうして中学、高校の社会、大学一般教養の経済学にいなかったのか、と悔やまれる。恐らく、著者ほどの幅広さで歴史、地政学、宗教、技術を関係づけて経済を語れるだけの深い理解、教養がなかなか一般の先生方には伴わないのだろう。まして、それをかみ砕いて分かりやすく説明するとなると、これもまたそれらの教養とは完全に独立した一つのスキルであり、ますますもって著者が他の追随を許さぬ域に置くのであろう。大学の専門課程の先生方からすれば、大した内容ではないと思うのかもしれないが、本も講義も伝わってなんぼの世界と思う。

【概要】
 池上彰氏による愛知学院大学での講義を本にまとめたもの。講義は経済学部生のみならず、経済学を学んでいない学生や一般人向けに構成されています。内容としては、第二次世界大戦後の日本とそれを取り巻く世界を中心に、「経済活動」という視点から今の日本がどうやって出来たかを懇切丁寧に解説しています。

【レビュー】
 戦後の日本がどのように復興して行ったかを経済学の知見から非常に分かりやすく説明してくれています。戦後に年金を日本政府が払い、お金が大量に出回ったがモノがないため大変なインフレになったことで、闇市が流行ったこと。そのインフレを抑えるために政府が銀行からお金の引き出しを大幅に制限(かつ新円切り替え)したこと。GHQによる財閥解体で個人で儲けることが認められ、生産性が非常に上がったこと。逆に、ソ連や中国では農業集団化で一気に生産性が落ち、何千万人が死んだこと…etc

 歴史の授業で単体の事実として認識されていたものが、「経済学」というストーリーの中で一気にまとめられるのを感じることができると思います。本書では経済学の、つまり社会主義と資本主義の対立の歴史を軸に話が進められていますが、これは戦後の歴史そのものですから、経済学という視点に留まらない知見を得ることが出来ると思います。

【感想】
 今は、インフラも整ってて清潔好きでマナーも良い日本人の像が出来上がっていますが、戦後から東京オリンピックまでの日本は、舗装道路はないは、トイレは垂れ流しだは、輸出製品の質は悪いはで、そこまで出来た国でも国民でもなかったことが分かります。中国人に限らず発展途上国の品性をたまに批判するニュースを見ますが、それは40年近く前の日本人の姿でもあるのですね。中国に限って言えば文化大革命がモラルが一回崩壊しているとのことなのでそれも影響しているのでしょう。

 400頁近い本ですが、読んでいて興味が尽きず一気に読んでしまいました。口頭での講義内容を本にされていることもあり、理解に苦しむ表現、文章など全くありませんでした。著者の「知識力」、「論理力」、「伝える力」にはただただ脱帽です。

戦後の経済史・経済事情を紐解きながら、
その背景、その支柱となった経済理論、経済学説に関連付けて、
「経済学」の意義が説明されている。
大学での「講義」故か、語りかける対象者、話し言葉も分かりやすい。
ただ、講義で用いたであろう図説や写真の多くが掲載されていない。
ここは編集上への不満がある。
日本だけでなく、中国、北朝鮮、ソビエト、
時の政権が行った経済施策の論拠が紹介され、
中には学説ともおもえないものもあり面白い。

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