ドンを撃った男―大日本正義団・鳴海清の死線 の感想

昭和53年に起きた山口組田岡組長銃撃事件。その犯人は、山口組の下部組織に親分を殺された大日本正義団組員の鳴海清でした。
田岡組長銃撃後の逃亡劇を取り上げて鳴海の人物像に迫っています。

フィクションですが、銃撃事件や逃亡に関わって逮捕された者たちの裁判など取材を通して書かれているのでかなりのリアリティがあります。あくまで小説なのでどこが事実でどこがそうじゃないのかは分かりません。

組員一万数千人（当時）の山口組が血まなこになって鳴海を追い、その山口組より先に鳴海を確保しようと奮闘する警察。そんな極限状態の中でのドラマです。

鳴海の最後についての記述はそれほど分量がなく、最後の謎について詳しく知りたい・考察したいというのには向かないかもしれません。

文庫版も出てるようです。1999年には的場浩司主演で映画化されています。