優等生の遊び方 (フラワーコミックス) の感想

いろんな意味ですごい作品です。
とにかく、読者の斜め上をいく展開がすごい。
オムニバスストーリーなんだけど、一見別に思えるストーリーが繋がった時は度肝を抜かされる。
「嘘の中に潜んでいる真実」というのが、この作品から感じた印象。
人はみな多かれ少なかれ仮面をつけているものであるが、ここに登場する人物たちは「優等生」の仮面をつけている。
それは彼女たちにとって、学校に限らず結婚にも人生においてもその仮面が絶対的な価値観である。
しかし仮面である限りは、いつもつけていられるわけではない。
仮面が剥がれた時、その反動として次の「淫乱」や「打算」の仮面が姿を現す。
しかしそれも仮面に過ぎず、それも彼女たちの本性はない。
すべての仮面をはぎ取った時、そこに残された、ただ愛がほしかったという真実が切ない。