世界の歴史〈1〉人類の起原と古代オリエント (中公文庫) の感想
参照データ
タイトル | 世界の歴史〈1〉人類の起原と古代オリエント (中公文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大貫 良夫 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784122051454 |
カテゴリ | ジャンル別 » 歴史・地理 » 世界史 » 一般 |
購入者の感想
以下は全30巻を通しての感想ですので、あらかじめご了承ください。
写真や図版が多くて読者の理解を助けてくれること(残念ながら文庫版はカラーではありませんが)、類書と比べて内容が詳しいこと、比較的最近の研究成果が反映していること、途上国の歴史にもページを割いていること、といった優れた点はありますが、巻や章によって(すなわち執筆者によって)出来不出来のばらつきが目に付きます。執筆者が自分の得意分野?を長々と記述している箇所があるかと思えば、逆にあっさりしていて物足りない箇所もあります。この巻は比較的よく出来たほうだと思いますが、他の巻には首をかしげるような箇所もあります。
文章も、いかにも学者が書いたような平板な論文調の記述がところどころに見られ、気になりました。それらの点は、昔出版されていた旧版(全16巻+別巻)のほうが優れていましたし、初心者にも読みやすかったと思います。旧版は、鉄道紀行作家としても著名な宮脇俊三氏が編集長時代に手がけた物だそうですが、宮脇氏は、読みにくい学者の文章には遠慮なく書き直しを求めたそうです。歴史物では定評のある中央公論の出版物なのですから、新版でも同程度のチェックはしてほしかったと思います。
辛口のレビューになってしまいましたが、内容的には概ね充実していますし、出版社としての意気込みも感じられます。ただし、初心者にはいささか歯ごたえがありそうで、ある程度歴史の知識を持った人がそれらの知識をさらに深めたいと考える場合に読む価値があるシリーズだと思います。
この巻だけなら★四つですが、全巻を通じて★三つとさせてもらいました。
写真や図版が多くて読者の理解を助けてくれること(残念ながら文庫版はカラーではありませんが)、類書と比べて内容が詳しいこと、比較的最近の研究成果が反映していること、途上国の歴史にもページを割いていること、といった優れた点はありますが、巻や章によって(すなわち執筆者によって)出来不出来のばらつきが目に付きます。執筆者が自分の得意分野?を長々と記述している箇所があるかと思えば、逆にあっさりしていて物足りない箇所もあります。この巻は比較的よく出来たほうだと思いますが、他の巻には首をかしげるような箇所もあります。
文章も、いかにも学者が書いたような平板な論文調の記述がところどころに見られ、気になりました。それらの点は、昔出版されていた旧版(全16巻+別巻)のほうが優れていましたし、初心者にも読みやすかったと思います。旧版は、鉄道紀行作家としても著名な宮脇俊三氏が編集長時代に手がけた物だそうですが、宮脇氏は、読みにくい学者の文章には遠慮なく書き直しを求めたそうです。歴史物では定評のある中央公論の出版物なのですから、新版でも同程度のチェックはしてほしかったと思います。
辛口のレビューになってしまいましたが、内容的には概ね充実していますし、出版社としての意気込みも感じられます。ただし、初心者にはいささか歯ごたえがありそうで、ある程度歴史の知識を持った人がそれらの知識をさらに深めたいと考える場合に読む価値があるシリーズだと思います。
この巻だけなら★四つですが、全巻を通じて★三つとさせてもらいました。