現代版 魔女の鉄槌 の感想

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タイトル現代版 魔女の鉄槌
発売日2014-08-29
製作者苫米地英人
販売元フォレスト出版
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 人生論・教訓

購入者の感想

半分以上の紙幅を割いて、中世ヨーロッパに於ける魔女狩りの経緯が詳細に説明されている本書。
しかし、本当に言わんとする核心は、あとがきに書かれた、たった二行の文に集約される。

「現代の魔女狩りに遭わない方法は、お金を儲けたい、お金が欲しい、という意識を消して、発信された情報に接する事です」(272ページ)

この文を読んで、かつては著者の盟友であった、堀江 貴文氏に対する鎮魂歌であると感じてしまったのは、私だけだろうか。

さて、単純に「ネット上の情報操作に気をつけましょう」という話なら、ワザワザここまでのページ数にする必要は無く、第4章「フェイスブック、ツイッターから始まる現代の魔女狩り」以降の100余ページだけで、論旨は充分理解できる。

しかし、著者が書く他の本にも共通して言える事だが、著者が似たような事を延々と繰り返して述べている時は、私達一般の人間が、それらの情報について「なんとなく知った気になっている」場合の方が、実際には多いからである。
それこそ、著者の専門である機能脳科学の言葉を借りるなら、「脳は、既に知っていると判断した情報を、いちいち再精査しない」という事。
我々一般の人間の「生兵法」が、世の中を裏側から操作する「支配者」にホイホイと通じるのなら、それこそ、何の苦労も無いわけである。

もちろん、歴史学の専門家が本書を読んだなら、批判や異論も色々と出てくるのかもしれないが、単純に、著者は過去の歴史の復習を我々読者に促し、「支配者達へ捧げる生贄にされてきたのは、常に貴方たち一般市民なのだ」と、改めて警告したいのだろう。

それを踏まえた上で、「現代版 魔女の鉄槌」から逃れる方法、それは、
「権力者が用意した限定された自由など、相手にしなければいいのです」
「本当の自由、本当の人生のゴールを手に入れることだけを考えるのです」(270ページ)

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