融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論 の感想

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参照データ

タイトル融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論
発売日2015-01-21
製作者渡邊恵太
販売元ビー・エヌ・エヌ新社
JANコード9784861009389
カテゴリジャンル別 » コンピュータ・IT » コンピュータサイエンス » システム管理・監査

購入者の感想

「デザイン」といえば、ちょっと前であればDTPやwebデザインがメインだったけれど、いまはちょうどパソコン以外のものがインターネットにつながり始めた過渡期で、新しいデザインが議論され始めている。本書は、サブタイトルに「ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論」と書かれている様に、そんないまの時代の議論を象徴するような本。

VisualHaptics、CursorCamouflage、smoon、Integlass、LengthPrinte、CastOvenといった自身の研究成果を交えながら、考えをまとめている。研究概要を知るには各研究の動画をYouTubeで見るのが早いのだけど、何を思って取り組んだ研究なのか、研究した結果得られた知見は何なのか、ということは動画を見るだけではわからないので、こういう文章の形で示されるのは面白いしありがたい。

自己帰属感による道具と身体の境界など、認知心理学的視点からヒューマンインタフェースが解説されているのがとても面白い。この手の話で必ず出てくる書籍がドナルド・A・ノーマンの「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)」なのだが、25年前の本で、正直あまり読みやすい本だとは思わないので、まずは融けるデザインから読むのをオススメしたい。

使いごこちの良いインタフェースは、誰もがあまり意識せずに使っています。
使いづらいインタフェースは、誰もが気付きますが、うまく言葉では説明できません。

ユーザインタフェースやインタラクションの研究は古くからなされていますが、
昨今のスマートフォンやタッチパネルデバイスの普及と進化のスピードは早く、
工夫しながらいろいろ作り上げてはいます。
けれどもそれがなぜなのか、どういう理由でそう作るのか、
どこが良くてどこが良くないのか、人間の身体の特徴は変わらないのに、
テクノロジーは、あまり明確に説明されぬまま、進んできています。

本書は、生活の中に「融けはじめている」デザインに対して、
いまいちど分析したり、把握したり、それがなぜそうなっているのかを
見つめ直すような内容の本です。

途中から、どこから読み始めても、興味をひく事項が満載です。
ユーザインタフェースやデザイン、メディアアート系の仕事をしていて、
迷いがある人、誰かを説得しきれない人にオススメの本です。

そしてこの厚さの本にしては、なぜか少し重いです。

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