知的生活の方法 (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトル知的生活の方法 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者渡部 昇一
販売元講談社
JANコード9784061158368
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 読書法

購入者の感想

以前に、知的余生の方法を読んで感銘を受けたため、本書を手に取りました。学ぶべきことが多かったです。

 本書を初めて読んだのが大学生の頃。かれこれ十数年が経過したが、今でもときどき読み返している。これまで10回以上読んでいるが、その都度啓発される。
 著者は出羽の出身で、あまり裕福ではなかったものの、家にある沢山の講談本や雑誌を何度も繰り返し繰り返し読み、後年の学者としての知的生活の基礎を築いた。大学時代も育英会の奨学金だけで生活するために極度に切りつめながら、勉学に励み、かつ読書し、そして欲しい本は高価でも購入し、自分自身のライブラリの充実を図った。貧乏学生時代、外食券食堂でご飯とみそ汁に香の物だけのミニマムな食事で空腹をしのいだり、入学式のときにはいた靴下を4年後の卒業式でもはいた等、知的生活を志し、それを実現するために現実から逃げずに真摯に夢を希求した著者の姿に心を打たれる。
 繰り返し読むことで読書の質が高まること、自分が欲する知的空間をいつかは手にすることを夢見て関心を抱き続ければ、最終的にそれを入手する公算が高いこと、伊藤整の小説「氾濫」に出てくる、町工場の技師が自宅の3畳の部屋で、接着剤のデータをコツコツカードにとることを長年続けた結果、低コストで性能の良い接着剤の開発に成功し、町工場が一躍大企業になる話、静かなる持続と見切ることを知ることが、知的生産の要諦であることなど、とにかく示唆に富むエピソードが満載である。知的生活とは一部の学者だけの高尚なものでは決してなく、自分が興味ある分野に静かに向き合う時間を生活の中に取り込むことであると著者は語っているように思われる。そうすれば、刹那的な快楽よりもずっと深い知的感興を我がものにできる、と。本書は見事に、一つの充実したライフスタイルの提案に成功している。

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