Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2015年 1/20号 [日本の和食、世界の和食] の感想

シャルリエブドの編集者・風刺画家はいまは殉教者とされているが、そう単純な話ではない。

ムハンマドを描いた彼らのマンガは、ごくまれに正鵠を射ていたが、だいたいは無分別であり人種差別そのものであり、イスラム教徒の怒りをあおる目的しかなかった。

ただでさえフランスのイスラム教徒は貧困と差別に苦しんでいる。

が、フランスではナショナリズムの高まりにより、リベラルの美名の下に外国人排斥がまかり通る。

シャルリエブドの作品は勇敢というより無謀で下劣だった。

「宗教を冒涜する権利は自由社会の基本的権利や」という人もいる。

が、明白な人種差別が権利だと声高にいうなら、同時に明白な人種差別を糾弾すべきだ。

Google、イギリスの高級紙ガーディアン、フランス政府が数億円の寄付をシャルリエブドに行っているが、シャルリエブドの「表現」は国家が支援するたぐいのものではない。

〜p30

ふーむ、最近のモヤモヤがようやく霧散した。

いま日本で批評性を維持している雑誌はNewsweek日本版だけのようだ。情けないことだが。

なお、参考までに、週刊文春のシャルリエブド関連記事の見出しは「ひざまづくくらいなら戦うぞ！」。アホ中のアホ。