満腹論 の感想

坂本真綾さんの歌や、彼女が書く詞が好きです。彼女の書く文章に興味が沸いたので今回購入しました。
タイトルは『満腹論』ですが、ご飯以外にも様々なお話が収録されております。内容の面白さについては正直期待以上です。真綾さんの文章力の高さがよくわかります。
毒にも薬にもならないエッセイを、と彼女はこれを書かれたようですが、確かに毒にも薬にもなりはしないかもしれない。けれど気楽に読める文章だからこそ、その何気なさがとても愛おしく、じんわりと心をあたためてくれるような温度に何か安心します。
等身大の女性としての顔、表現のプロフェッショナルとしての顔、色々な真綾さんの顔が見えることも魅力的です。
気楽に読める本なので、是非気楽に手にとってみてほしいです。読んだらきっと満腹になれるはず。

常に自分、それを取り巻く環境にチャンネルを開き、開こうとしている方なのだと思います。帰結する何かを探る欲を持つ人なのだと。
食べ物をおいしく食べる人間。その根幹を自分の生活から軽快に、ユーモラスに取り扱いつつ、培い得た経験や人との出会い。それが右往左往する人生を楽しむ究極のご飯なのではないかなあ？と思わせてくれる。食という自らに重ねやすいテーマもあってこれまで以上に読みやすかった！
坂本真綾さんの余白…透明な感性が凝縮された一冊。考えの引き出しの多さにはただただ敬服、の一言です。満腹！

読んでいると自然と引き込まれます。
もう、なんか曲にできちゃうんじゃないかというくらい
テンポが良い文章。やっぱり詞を書く人は言葉のチョイスも上手いんでしょうか。