筑豊のこどもたち の感想
参照データ
タイトル | 筑豊のこどもたち |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 土門拳 |
販売元 | 築地書館 |
JANコード | 9784806756194 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
土門 拳というと、晩年、車椅子で弟子達に支えられながら撮影した「古寺巡礼」が有名だが、この写真集は、若き土門がライカを構えて、筑豊の炭坑を舞台にそこで生きている子供達を写しだしている。主人公となるのは、炭坑で働く父親に育てられている2人の姉妹なのだが、石炭が斜陽化してゆく中、父の給料も充分ではないらしく、家の畳も崩れかけている。この後、父親は亡くなってしまう(続編の写真集があり、それは、見る者の胸を締め付ける程悲しみに溢れ、最後まで見る事がつらいものである)のだが、現在の日本の繁栄の陰で、多くの人々が犠牲になっている事が判ります。初版は、土門が多くの人に見て貰いたいという願いから、ザラ紙に印刷された、廉価なものだったという。ドキュメント写真家としての土門がここに生きている。私は、30年位前に見て、思わず涙が溢れてしまい、「写真」の凄さにうちのめされ、写真を始めるきっかけとなった作品です。是非、若い人にこそ見て貰いたい!
これを見ずして「写真」は語れない!
これを見ずして「写真」は語れない!