Twice Told Tales の感想

忘れられつつあるアメリカの作家ホーソンのTwice Told Talesです。Twice Told Talesは短編集ですが、版によって入っている作品が異なります。このCentenary Editionがすべてを網羅しております。

ホーソンと言うと『緋文字』ということになりそうですが、あれは現代のほとんどの読者にとって面白くないでしょう。「ホーソン＝緋文字」と考えると、この作家はどんどん忘れられて行くでしょう。ぜひ、このCentenary EditionのTwice Told Talesを手に取ってみてください。そして、The Vision of the FountaiinとかWakefieldなどの小品をじっくり味わってみてください。とんでもない美文です。味わい深いです。ロマンティックです。どうしてこの作家が忘れられなければいけないのか、腹が立つことでしょう。

それからTwice Told Talesを読み終わっても、Scarlet LetterやHouse of the Seven Gablesに行くのはやめましょう。American Notebooksに行くか、このTwice Told Talesに戻りましょう。何回読み返しても、超一流の美文です。そして、ポーみたいに冷たくないし、メルヴィルみたいに正体不明でもなく、温かいです。