この道のりが楽しみ ― 《訪問》言語聴覚士の仕事 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルこの道のりが楽しみ ― 《訪問》言語聴覚士の仕事
発売日販売日未定
製作者平澤 哲哉
販売元協同医書出版社
JANコード9784763930484
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

失語症を家族に持つ者としてこの本を手にした。
脳血管疾患が増えてきている現在でも一般の人の失語症への理解はまだ少ない。
失語症とは脳の疾患により、言語機能の中枢が損傷され、「聞く」「話す」「理解する」「読む」「書く」などの機能が障害される。
医療制度改革によってリハビリ期間が短縮され、言葉の訓練を2~3ヶ月しただけで自宅に戻され、その後のフォローがなかったり、
フォローがあっても、訓練1年ぐらいで「もうこれ以上は回復しないでしょう」といい渡されてしまう。失語症者はなすすべもなく、
家にこもりがちになる。そんな医療制度のスキマに落ちてしまった失語症者を長期に亘ってフォローすべく、
著者は訪問による言語リハビリを開始した。そのような人が果たして日本にどれぐらいいるのだろうか・・・。
訪問リハビリの言語聴覚士として山梨で活躍する著者はかつて自らも失語症を患い、懸命な努力によって言語聴覚士の
仕事に就けるまでに回復。現在も少しずつ回復していると本人は言う。だからこそ、失語症者の気持を理解し、
長期のフォローが失語症者にとって重要なことを訴える。
著者が失語症になってから、言語聴覚士になるまで道のり、そして、言語聴覚士になってから患者のところへ訪問するまでの道のり。
それらが淡々と描かれているが、読んでいると胸が熱くなり、言語聴覚士という仕事への興味が自然と沸いてくる。

病院に勤務する言語聴覚士はもちろんのこと、これからフリーになって訪問リハビリを目指そうと考えている人たちにぜひ読んで欲しい。
そして各地域でひっそりと家に籠もっている失語症者にぜひ希望を与えてほしいと思う。
どのように地域の医療機関や公的機関と連携を結んでいくか、フリーでも生活していけるのか・・など、
フリーの訪問リハビリを目指す人が不安に思うことも細かく書かれている。
大西成明氏の写真も暖かさに満ち溢れている。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

この道のりが楽しみ ― 《訪問》言語聴覚士の仕事

アマゾンで購入する
協同医書出版社から発売された平澤 哲哉のこの道のりが楽しみ ― 《訪問》言語聴覚士の仕事(JAN:9784763930484)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.