Ross組織学 の感想

写真は大きく見やすい。その点は初学者にも薦めたい点ではある。
しかし、翻訳にあたって誤訳が非常に多い。
文章も意味を理解せずして訳したことが露呈している箇所が散見される。

さしずめ監訳者が未熟な学生や部下に訳させたのだろう、と想像に難くない。
しかし出版社のチェック機構も働かないものなのか？専門の内容までは出版社サイドも判断しかねるか？
まさかお偉い先生だけに進言すらできないのか？？

とはいえ高額な医学書であり、機関によっては教科書とされる本である。
間違いが多いのは全く戴けない。
この状態が出版から数年も経ているのに訳者も良くのうのうと過ごしていられるなと思う。
全くもって情けない、恥ずかしくないのか。
改訂されてもなお、誤字誤訳は残っているからさらに残念だ。

写真が良いだけに実にもったいないが、翻訳したがために価値を大いに下げた日本語版は
もはや「悪書」といっても過言ではないだろう。

これから購入を考えている多くの方々にそのことを留意戴きたいと思う。

そして「この本だけで組織学を学習するのは危険ですよ」と。

内容は非常に充実していて、良い教科書だと思います。
翻訳は多数の先生方が分担されていて、偏っていません。

本編の図が見やすいです。
さらに、アトラスがそれぞれの章の最後に付けられていて、
組織学実習でよく見る標本がしっかり解説されています。
医学生にとっては見分けるポイントがわかりやすく、スケッチにも効果的です。

ひとつ欠点と言うべきは誤字・脱字が多いことでしょうか。
さらっと読んでいても、すでに4か所は見つけました。