A3〈上〉 (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトルA3〈上〉 (集英社文庫)
発売日2012-12-14
製作者森 達也
販売元集英社
JANコード9784087450156
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 三女の伝記が出版されたのを機に読んでみましたが、著者の主張に全面的に賛同するわけではないですが、麻原が既に壊れてしまっているのなら死刑にすることになんの意味があるのかという気もします(精神的にはすでに死んでいるというわけですから)
もちろん詐病である可能性もあるわけですが、著者の言うようにそれをはっきりするためにも精神鑑定をもう一度受けさせるというのは妥当のような気がいたします
死刑反対論者ではないですが、麻原はとんでもない奴だから四の五の言わずに殺せというのは先進国を名乗ってる以上、あまりにも野蛮ではないかと

【内容(ネタバレ禁止!)】
オウム麻原彰晃とは何だったのか。事件から早10年。その顛末をジャーナリストが「あくまで中立的に」、と追い直したノンフィクション。

【ささった言葉】
・事象や現象は限りなく多面的だ。どの視点に立つかによって見える面(光景)は無限に変わる。
・オウム信者流入が噂された千葉県我孫子市や柏市、流山市や野田市などの市役所の正面玄関脇には、
 「人権は皆が持つもの守るもの」(我孫子市)や
 「ふれあいと対話がきずく明るい社会」(柏市)などの立て看板の横に、
 「オウム(アレフ)信者の転入届は受理しない」と記述された真新しい看板が設置された。
 まるで質の悪いブラックジョークのようだが、これもまた明確な憲法違反だ。でも誰も指摘しない。

【教訓】
オウム寄りのスタンスには、どうしても反射的に気味の悪さを感じてしまう。冷静に判断せねば、といくら思っても。それが、著者によれば思考停止なのだが…。
あれだけのことをしでかした集団に、いいところなどあるわけがない、きっとさぞかし捻じ曲がった連中なのだろう、という、自分の中でも拭いきれない、どうしようもない、べっとりとした先入観が存在することに気づかされる。
もちろん、麻原の子供たちが入学を拒否され、家族が村を追われ、繁盛していた鍼灸院を失い、と聞くと、さすがに気の毒にはなるのだが…。
そして、一ヨガ教師にすぎなかった麻原を、あれほどの巨大な存在に膨れ上がらせてしまったのには、自身生まれながらの障害者であること、朝鮮からの引き上げ組であること、故郷が被差別部落や水俣病エリアに近接していることなどにより、国家への復讐、という陰謀論者による煽りがあったらしい。著者は、綿密な調査により、それらほとんどは、取るに足りない単なる噂である、との実感を得たとのこと。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とはよく言ったもので、巷でヒソヒソ囁かれる「巨大なタブー」なども、ほとんどはこの類なのかもしれない。
陰謀論、タブーは、飲み会ネタとしてはエンターテイメントだが、軽挙妄動には気を付けたい。それこそが、風評被害のもとなのだから。

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