メフィストフェレスの肖像 の感想

ドラムやベースの輪郭がクッキリしてモコモコ感が無くなりました。
ボーカルもクリアに。
スネアの抜けも良く、ドラミングのキレと腹に響きそうな重さもまさにライデン殿下の音で、これぞ聖飢魔IIというサウンド。
ギターの2名も大好きな自分ですが、この教典はドラム、ボーカル、ベースで充分満足しちゃいそうですし、パブリックイメージに近い内容で迫力のあるサウンドなので初めて聖飢魔IIを聴く人にも非常にオススメ出来ます。

元々演奏自体は良かった大教典だと思いますが、色んな意味でバンドは危機的状況の中、デビュー10周年行事サタンオールスターズの企画が好評だったのでBMG（当時）移籍第一弾大教典は原点回帰的な音楽性となりました（構成員はこの路線は本望でなかったかもしれませんが）。
そういう意味ではWHO KILLS DEMON？の歌詞は状況を考えれば考えるほど重い。
あまり当時は好評でなかったような気がするジェイル代官提供曲の【悪魔のブルース】ですが、この曲は聖飢魔IIらしいかどうかは別にして、いい曲だと自分は思います。
※余談ですが盤のレーベル面は当時モノと同デザインです。

前作「PONK!」を最後に、地球デビュー作より教典類を発布していたソニーを離れ、新たにBMGと契約し発布された第１弾。本作より１年前のB.D.4年（1995年）デビュー10周年を記念し「サタン・オールスターズ」と題し、歴代構成員４名を迎えたスペシャルなミサが行われた。その流れもあり、ダミアン殿下やジェイル代官の書き下ろし曲も含まれ、初期のイメージに近い作品が出来上がった。厳密に言うと、キャリアを積んだ聖飢魔IIが初期の世界観を、数倍高い質の次元で具体化したサウンドとでも表現できる。

ルーク篁参謀（g）作の疾走感溢れる「地獄の皇太子は二度死ぬ」「GREAT DEVOTION」、エース清水長官（g）作の美しさを誇る「PAIN ME BLACK」「WHO KILLS DEMON?」辺りの曲は、両名の作曲者として、またギタリストとしてカラーの違いが表れた楽曲で興味深い。ダミアン殿下が提供した「野獣」は、既にアマチュア時代に演奏されており、この度、日の目を浴びる時が来た。「凍てついた街」のヴォーカル・パートは、「初期の頃の歌唱法をイメージして歌入れした（デーモン小暮閣下・談）」らしい。ジェイル代官が提供した「悪魔のブルース」は長官が歌い、参謀がコーラスするレアな楽曲。「HOLY BLOOD〜戦いの血統〜」は、後期のミサでは欠かせない曲になる。また、ミサでは演奏される機会は無かったが、個人的に「黒服のあいつ」は超名曲。

「PONK!」時代のゴタゴタが尾を引き、この時代もバンドにとっては厳しい状況が続き、本作のレコーディングも「空いた口が塞がらない様な、録音設備とスタジオでの録音」となったらしいが、内容的には素晴らしき充実作。本作に従う黒ミサも、最高の質を誇るステージが行われたが、東名阪のみという短いツアーで終わってしまった。そのミサの模様は、最初の再集結時（D.C.7年）に出た「メフィストフェレスの陰謀」ＤＶＤで観る事が出来る。

前作「PONK」から約２年ぶりにリリースされた聖飢魔II１０作目のオリジナル大教典。
前作「PONK」とは正反対に「聖飢魔IIらしさ」を追求した内容。
「地獄の皇太子は二度死ぬ」「GREAT DEVOTION」「HOLY BLOOD~闘いの血統~」などの聖飢魔IIらしい名曲が収録されています。
ダミアン浜田殿下、ジェイル大橋代官が作詞作曲に参加しています。
ボーナストラックの「悪魔のブルース」ではエース清水長官がヴォーカルを担当しています。

初期の聖飢魔IIに戻った作品という感じで脱退後のジェイル大橋の参加曲11．（ボーナストラック）を除けば全体的にまとまっていると思います。
在籍中のジェイル大橋作品ファンが聴くとう~ん、、、と思うのでは？チョッと違和感があります。
聖飢魔IIの曲はわかりやすい詩が多いのすがこのアルバムはどんな意味が込められているのかと謎なちょっと考えさせられる感じ。
分けるとすると"悪魔が来たりて･･･"、"THE END OF THE CENTURY"同様、悪魔教的なアルバム。
重過ぎない心地よいダークさあり、芸術性の高さもあると思います。繰り返し聴ける飽きの来ない作品ですね。