ヤマノススメ volume 3 (アース・スターコミックス) の感想

3巻では富士山に挑戦です。
マスコミが「山ガール」だのともてはやしても、現実問題として、若い女性が、野宿だ徹夜だ山小屋で雑魚寝だ、となると親御さんが反対するのは当然で、そのあたりをちゃんと描いているところは良いと思いました。
もっとも富士山に関しては、夜間登山のバスツアーなどいくらでもあるのですが。

挫折については、ちょっと重く描き過ぎかな、というのと、途中で引き返しても、得られるものはたくさんある（八合目だってすでに日本で一番高い）ことを、もっと描いてほしかったか。
（みんなやっているとはいえ、出版物で徹夜登山を描くのはどうかとも思うけど、あるいは徹夜するとこういう目に合うよ、ということか・・・）

間のコラム、アドバイスが相変わらず参考になります。
少しづつ難しいところに挑戦していくストーリーや、無理なところは無理ときちんと書く、安全に配慮した姿勢など、エンタテイメント性以外でも評価できるところが多いと思います。
公営放送の某番組では「ゆるふわ系」などと的はずれな取り上げ方をしていましたが、ガチな山歩き漫画です。
出版社がマイナーなせいか、話題にもかかわらず品薄で、書店を数店回りようやく買えました。
アマで予約しておけばよかったと思うと同時に、こういう本がアマでないと買いにくい現実にも疑問を感じました。

2014/8後記
昨今の弾丸登山批判のせいか、アニメ版では山小屋に泊まる設定に変わったようです。