ロボコップ 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定) [Blu-ray] の感想

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参照データ

タイトルロボコップ 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定) [Blu-ray]
発売日2014-07-02
監督ジョゼ・パジーリャ
出演ジョエル・キナマン
販売元20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
JANコード4988142999122
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » アクション

購入者の感想

唯一無二の傑作『ロボコップ』のリメイクとなれば、賛否両論飛び交うことは避けられない。
当方は、「賛」の立場で評価する。

オリジナル版が傑作たりえたのは、一種の「奇跡」に依るところが大きいと思う。バーホーベン監督のフルスイングすぎる暴力描写、ボティンとティペットの職人芸が光る特撮、主演ウェラーの素晴らしい演技。この布陣、この時機でだけ実現しえた良さが詰まっている。
リメイク版は、これらの「奇跡」は再現不可能なものとスッパリ割り切って作られている。自分たちの語り方で語るしかないと肚をくくった堅実な作りで、この姿勢がまず立派だ。

本作のストーリーは、社会風刺という色合いが濃い。それはオリジナル版から受け継いだ要素なのだが、テイストはかなり違う。
顕著なのはED-209の描き方だ。オリジナルでは階段で転んだりして観客を笑わせていたEDが、今作では正常に機能し、その威力を見せつけている。
白眉は映画冒頭、治安維持の名目で中東の街を練り歩くシーン。銃で人々を黙らせて「平和を守った」気になっている浅はかさ。抑圧される側の気持ちを想像もしない無神経さ。このEDの姿は、まさにアメリカの戯画だ。
今作の風刺描写は、現代アメリカの抱える問題点を真剣に分析して組み立てられたもので、要するに、たいへん真面目に作られている。オリジナル版に漂っていた「ちょっとレーガンをからかってやるか」という気軽なムードからは遠く離れたもので、これがつまり、時代が変わったことの現われなのだろう。

正直言えば、不満点もある。
指名手配犯を捕まえるシーンなどが、あっさりしすぎている。ロボがスペックを発揮するシーンに痛快感が足りないので、彼が市民の支持を得ていく過程が十分に表現できていない。右手が生身のままである設定があまり活かされていない。息子の出番が少なすぎて家族の印象が弱い、など。
が、それらの不満点を全て差し引いても、観る価値は十分。
21世紀に再びロボコップを作るというのがどういうことか。その課題に、真剣かつ前向きに取り組んだ力作だと思う。0

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